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僕はセレナ姉さんのマネージャーですかね?




『8月20日』




【04:38】



 四時に父さんが送ってくれたので、長崎から博多まで特急で向かってそこから東京までグリーン車で移動だ。

 あっ、ちなみに新幹線の往復のお金は僕が出したんじゃないからね~。

 セレナ姉さん持ちだよ。


 僕は普通の家庭の学生時代だからそんな高い金を出して東京行きは無理ですからね~、

 

「栗栖、母さんが『妹の世話お願いね』だそうだ、まあ~なんだ、辛かったら電話しろ愚痴は聞くからな」


 父さんは見た目こそ格闘家のチョホンマンみたいなでかくて強面だけど、細かい所まで気を遣う所は乙女な性格をしている。

 うん、そこはベッキーが似て良かったような・・・、悪かったような。


『まもなく東京行き始発いたします』


 早朝からそこそこ人がいたが博多から東京まで乗る人はよっぽどの人だけだろうな~。










━━━━━━━━━━━━





『次は東京、東京』




 ようやく到着した。ここからセレナ姉さんが所属してる外タレ、モデル事務所から渋谷駅まで迎えに来てる筈だから、

 スマホ地図アプリ起動させながら移動だな。


「お昼食べる時間はあるし軽くマクドか蕎麦でもいれとこうかな~」


 セレナ姉さんのマネージャーポイ物になると結構忙しいから早めに食べとく必要があったりする。 


 勿論、ケータリングもあるが基本的に出演者、裏方さんようだしね~。 

 僕の仕事は姉さんの荷物持ちと衣装の準備とか雑用がメインだ。

 やっぱりと言うか一流のモデルともなると色々と拘りがある。

 それは食から飲み物、雑誌、嗜好品に至るまでプロになっている時の姉さんは、中々我が儘となるので、普通のマネージャーだと精神的にもたないほど殺気だつのだ。


 特に、気が強いスペイン女性ともなると。

 よっぽど相性が良くないとマネージャーとかとの間のことでナーバスになって、仕事のパフォーマンスに差し支えるので、僕も姉さんの世話でいっぱいいっぱいになってしまうのだ。


 それに僕は英語、スペイン語、日常会話なら中国語、韓国語までなら話せるので、通訳の役割まで下手すると押し付けられたりする。


 まあ~スタイルの良いモデルさんの艶姿を見られてラッキーだろう?、

 きっと中にはそう思うかもしれないよね~?。


 とんでもない!、


 モデルさんにとって、ランウェイを歩くのは白鳥が優雅に見せてるだけですからね~!、


 裏方は戦場なんですよ~。


 ひどい時は、僕まで仮縫いとかさせられるので、下手な縫い子より上手くなってしまったのは内緒である。


『あっ、栗栖君、やっほ~』

『ルシアーナさんお久しぶりです~、今日は宜しくお願いいたします』


※英語での会話です。


 彼女は日本のモデル事務所のCEOであるルシアーナ・アリーさんである。セレナ姉さんも彼女の事務所に所属していて、姉さんが日本の仕事するとき僕か母さんがマネージャーのようなバイトをさせてもらっていた。


『フフフフ、栗栖君が来てくれてようやく安心出来たわ』

『それはまたセレナ姉さんがお世話になっています』

『セレナほどのモデルになると仕方ないけど、本当にありがとう!?』


 なんだかサングラスに隠れてるけど、目が潤んでるような気がするのは気のせいだと思いたい。

 セレナ姉さんは内には優しいけど、何て言うか競争率の高い世界は泥沼と言うのかえげつないのだ。


 結構、えぐいことをやってくるので僕程度のそこそこ腕が立つ事が必要になったりする事がわりとあるのだ・・・。

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