MVP争奪戦決勝開始です
『闘技場』
大歓声に答えるイカ娘達、イカホさんと残り二人も嬉しそうにはしゃいでいた。
ある意味彼らの目論見は、大成功な予感を僕も覚えていた。
レディ・メーカー『それでは両者『闘技場』に御上がり下さい』
それぞれがドレスコードしていたが、闘技場に上がった瞬間、装備に変化していた。
「へえ~、そんなことも出来るんだね」
「そうね~、なんだか運営の方もノリノリな気がするわ」
確かに、まあ~、色々と激怒のイベントだったけどもう終わりかと思うと、お祭りが終わるような寂しさを感じていた。
「これ終わったらしばらく時差とか覚えるかもしれないから、何かあれば運営に言うのよ」
「あっ、了解です。フルダイブだと普通と違って、まだ精神的な結果がどうなるか分かっていないのは聞いてますから」
それに明日はゆっくり寝てるつもりだ。
まあ~、
さんちゃんが起こしに来なければの話である。
それはそれで歓迎なんだけどね~。
『決勝戦、ファイト!』
レディ・メーカーの合図と同時にイカ娘達が魔法を同時に放つ。
『『合体魔法ミストベール』』
『おお~っと、これは意表を突いての補助魔法による。視界を奪いに来ましたね~、これは上手い作戦です~』
ベッキー「へえ~、やるじゃない」
シオン「・・・参ったな、これは」
そう、よくよく考えれば分かる。妹とシオンはどちらも近接職業持ちである。
特に視界が悪くなると細剣使いは不利である。
「まあ~、それが普通の剣士の戦いならなんだけどね~」
そう、そこに妹のベッキーには其の程度のハンデはハンデの内に当てはまらない。
「いっくよ~!、せぇ~の」
すっかりお馴染みのクレーブを豪快に頭上で回しだした。
「六道奥伝・風車」
豪快にクレーブを真っ正面に投げつける。
『えっ、キァアアアアアア!』
バコン、凄まじい音がしたかと思えば、
『おお~っと、うまく補助魔法で隠れていた『イカミ』さんが偶然か必然か分かりませんが、ベッキー選手の攻撃をまともに受けてしまい場外に落ちてしまい失格です』
スミカ『イカミ姉さん!』
姉がいきなり視界が塞がれてるはずなのにあっさり脱力させられたのに戦いていた。
「フフフ、この程度で私の視界は防げても貴女達の気配は消せないわよ」
スミカは戦慄していた。
「なっ、なによそれ・・・」
あんぐり呆けた顔をしていたシオンもびっくりした顔をしていた。
「えへへへ、最強はフィジカルなのですよ~。それにお兄ならもっとえげつないことも出来るけどゲームだからやらないみたい、だこら私も最強のフィジカルで押し倒すのですよ!」
どこかアホな子のような物言いであるが、本人はいたく真面目であったりする。
確かにベッキーのフィジカルとエンゲル係数は世界最強と呼べるかもしれないな~。
クリスは我が妹ながら残念な子を観るような眼差しを巨大モニターに向けていた。