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イベント最終日、MVP争奪戦決勝





『闘技場』






レディ・メーカー『皆様、大変お待たせいたしました!、このわたくしの出番も今宵まででございます。しばしの御拝聴お願いいたします』


 なんとあのレディ・メーカーが、普通のドレスコードで現れたではないか、それにみんなが意表をつかれて驚かされた。


『これよりMVP争奪戦決勝を行われます、選手入場でございます!、奇しくも決勝は女性同士の戦いでございます。まずは各チームの紹介をさせて頂きましょう』


 今までの恥女スタイルは何処に行った?、みんなが呆気に取られる程見事な淑女のカテーシーを見せるレディ・メーカーに、皆は驚き、艶やかな微笑みに魅了されていた。

 まさにエンターテイナー、


 いや、壇上では彼女こそ全ての人間を魅了する女優とでも言うべきか・・・、 

 全てが計算された美しさがそこにはあった。


『前回『頂上決戦』にて大金星をあげさらに今回は『MVP争奪戦』の敗者復活戦から見事決戦まで駒を進めたラッキーガールシオン!』


 いきなり『闘技場』が真っ暗になっていた。そして光の魔法によってシオンがライトアップされる。


『・・・』


 なんとシオンまでもがドレスコードされていた。やや緊張した面持ち、赤い薔薇を模したドレスが映えて見えた。

 例えるなら彼女は野生の野バラのような、そんな強い生命力を感じさせるのだ。


『続いて、ルーキーでありながら脅威の身体能力で瞬く間に決戦まで上り詰めたヒロインベッキー!』


 続いて、もうひとつ光の魔法によってベッキーが照らされる。


『えへへへ!、みんな~よろしくね~』


 実に手慣れた感じで、元気一杯に歓声を上げてくれるみんなに手を振って、笑顔で答えていた。

 相変わらずメンタルが強い妹である。


「あら凄い妹さん、強心臓ね~」

「本当に、あれは目立つことに慣れてる人間のようね」

   

 姐さん達二人が感心するなか、僕の胸中は複雑である。

 飛鳥婆ちゃんやじいちゃんの血を引いてるから大舞台に強いのは理解出きるけど。

 これちゃんと父さんとじいちゃん達に見せないと慌てて動画を取り始めていた。


「あらクリス君大丈夫よ、動画はちゃんと撮ってあるから欲しいのは言ってくれれば後で送るわよ」

「姐さん!」


 流石です!、マジ助かります。

 これでベッキーの晴れ舞台を僕だけ観てと詰られなくてすみそうである。

 飛鳥婆ちゃんはそうでもないけど、じいちゃんの孫娘が可愛いしは強い。

 下手に後々ベッキーがゲーム内でも着飾ってたと知れば見たかったと拗ねる。

 その点、きちんと動画があればお小遣いが期待できるチャンスなんですよ!、

 姐さんありがと~♪


 最後の最後でお小遣いゲット出来そうな予感に僕の眠けも覚めていた。

 現金なものですけど何か?。





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