ああ~、また悪い病気が・・・・・
『エンドアース内・VIP室』
「ああ~、またベッキーの悪い病気が・・・」
当然頭を抱えるて身悶えするクリス君に、首を傾げた一堂。
「ええ~と、どうしたのかなクリス君?」
ここは幼女な老女が、念のために訪ねていた。
「姐さん妹のベッキーなんですが、・・・物凄く動物が大好きなんですよ~」
「・・・ん?、女の子なら普通じゃないかしら」
姐さん達がそういった普通の女の子なら、ある意味その通りなのである。
「そうですね。普通に動物全般何でも大好きだけなら僕も問題にはしませんよ。
本当に子供の頃は・・・、色々とやらかしてるので、それを思い出して頭が痛くなりました」
サミエル「ふ~ん、ずいぶんと心配するのね?」
「姐さん・・・、普通の動物だけなら良いんですよ?、猫とかね。でも妹は野生の熊とか従えてたりしますけど、それを普通とか言えますかね?」
「・・・・・は?」
「くっ、熊って、本物?」
「残念ながら、本物ですよ。あの時は・・・、本当に怖かったな~」
クリスは顔を強張らせながら、どこか遠い目をしていた。
なんとなく友人であるウータン、ヨッシー、ミィーの三人に目をやれば、同じようにスナギツネのような顔で、三人はどこか遠くを見てる姿があった。思わずサミエルとセリシアの二人は顔を見合わせていた。
「まあ~、妹は、アメコミのヒーロー系や、日本の英雄にリアルでなれる能力があるわけですよ~」
クリス君がお茶を濁すように言った瞬間、幼女な老女はハタリと気付いた。
「あっ、英雄症候群?」
「えっ、現代にまだいるの!」
驚いた声を上げたサミエル姐さんと、さらに驚きの声を上げたセリシア姐さん。
ウータン「英雄症候群?」
ヨッシー「にゃ?」
ミィー「???」
不思議そうな顔をする三人に幼女な老女がかいつまんで説明する。
その昔、戦乱の時代にとても人間とは思えないほどのパワーを持った武将、英雄が名を残している。その多くが現代のDNA解析によって、普通の人間よりも筋肉の量が多かったとわかっていた。
現代ほどの栄養素など知らない昔は、そうした英雄症候群と呼ばれる者は多くの食べ物が必要であったとしらていた。
しかし昔は現代と違い食べるものにも苦労した時代である。普通の人より何倍も食べる多くの英雄症候群患者は、餓死したのであった。
だが、生き残った英雄症候群の者は、英雄と名を残したり、有名武将として現代でも名前が残っている。
現代では英雄症候群を摂食障害の一種と呼ばれていて、その症状の子供には天才的な才能が隠れてる可能性があったりする。
現代ではそれが脳に欠陥がある子供の多くに現れる。数学、パズル、音感、瞬間記憶等と一芸に秀でた才能がある子供が多いとされる。
生まれつき人より筋肉量が多い人間の多くの特長として、満腹感を覚えない事が多い。
そのほとんどのエネルギーを瞬間的なパワーに変換することの出来る者のことである。
「まっ、まあ~、今なら絞め殺すこともないと思うので、多分大丈夫だと思いますが・・・」
「「「「「!?」」」」」
あまりにも不穏な呟きに、この場にいた全員息を飲んでいた。はてさてどうやって野生の熊とか従えていたかは、ご想像にお任せいたしますwww。