何事もフィジカルが最強なのですよ!2
ベッキーが手慣れた様子でクレイプを使って塹壕を掘り進めていく、
三人分の休憩所をほんの10分と掛からず作ってしまう手際に二人は目を丸くしていた。
「よしそれで、居住空間もよくしないとね~♪」
そこからベッキーは双剣を腰から抜いて、周りの木々から枝と木々の合間に落ちてる集めて塹壕に敷き詰め、さらに木で塹壕の補強をしていた。
「そして、蔦を集めてと」
枝と草で塹壕が外から蔦を使って編み込み雑木林のように見えていた。
二人から見ても、パッと見分からないよう擬態していたから二人は舌を巻いていた。
「出来上がり~♪、二人はここで待っててね~、ちょっとトラップ仕掛けてくるから」
「「トラップ?」」
「うん♪」
こうした陣地の構築をしてから待ち伏せを行うのもサバイバル戦の基本である。まず周りに沢山のブービートラップを作りに作って行かないとね~。
ヒタチ「・・・・・・・・」
ヒナタ「・・・・・・・・」
二人はあまりにも手慣れてる自分よりも一歳年下の少女に戦慄していた。
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★リオ視点
あれって何処かでみたような・・・。
家は関東に代々住まう一族で小田原の北条一族に連なる名家である。
今でこそ北条は多角的企業を生業にしているが、400年以上前は戦国大名の武家であった。
今、私達はクランクリスタル商会に仮に入っているのだが、
そこのクランマスターであるクリス君の事がその・・・、
このクランは女の子が多い、リーダーであるクリス君の魅力もあるかもしれないけど、なんと言うか・・・。
不思議と嫌ではないので、セオもすっかり馴染んでいた。
家でもみない笑顔を浮かべてるし、メンバーとも普通に話せてる。
お父様が筆頭株主をしている株式会社アースが発売した。
ゲームエンドアースに私達はフルダイブの機器に入り、自由に歩けることに喜びを見出だしていたの、
でもイベントでそうそうにログアウト不可能になって混乱したこともあったけど、あれの御掛けでクリス君達に出会えたから色々と運営に文句言いたかったけど。
今はそんな気分にならなくなっていた。
だって、ゲームからログアウトしたら、
また辛い現実が待っているのだから、少しでもこんなに楽しい気持ちが続けばいいな~、
私は素直にそう思えた。
セオ「姉さん、あれって六道の軍略書にあったよね・・・」
「そう、やっぱり」
六道とは戦国時代に生まれた概念的な武道の一種であった。
武芸は武家のたしなみである。槍、弓、剣、馬、体術、軍略の6つが基礎とされていたが、今では馬術が消えて現代の忍者の使っていた暗器、軍略も現代武器の扱い方から、そのかわしかたとた変化する古い武芸であった。
今では六道を伝えてる道場は少ないのだけれど・・・。
あの女の子ベッキーといったかしら?、彼女がやっているのは塹壕を掘って、沢山のトラップを張り巡らせたる。
野伏の戦略であった。
「少し、クリス君達のこと気になりますね」
「・・・うん」
クリスの知らないところで、リオ、セオの姉弟はじっとクリスの背中を見ていた。