闘技場の超新星の美少女戦士の名前はベッキー
『これは凄い、たった一人の可憐な少女が、むさい野郎どもをちぎっては投げ、
ぶっ飛ばすとは何とも痛快です。
あっと!、また場外に次々に弾き飛ばしていきました!。なんとも豪快なバトルスタイでしょうか!』
なんだかレディ・メーカーの目が輝いてるように見えるのは気のせいだろうか?、
「なっ、なんなんだあの女は、ギァアアアアアア!」
「おっ、おい!、やっ、止めてー」
『かっ飛ばせベッキー!、おっとここで四番ベッキー選手のとうじょうだ!、エースの第一球投げた。これは最速のストレートから落ちるスライダーだ!』
キラーンとベッキーの目が光る。逃げ惑う選手達を追いかけながら次々と場外に打ち出す。
『カキーン!、打った。これは大きい、特大ホームランだ~!』
ベッキーはスイッチが入ると動く物を打ちまくるクセがあったな~。
最近はあれだが・・・、
子供の頃はよく『お兄!、投げて』と可愛くお願されて、クリスは腕が上がらなくなるまでボールを投げさせられたのが、子供心にトラウマになって、蹴鞠=サッカーに逃げたっけな~。
クリスだけはどこかハイライトが消えた眼差しでどんよりとした気分になっていた。
『行くよ~、お兄!、四番になって、大リーガーになって、肉の食べ放題をヤるんだ~からね~www』
ギンギンに目を尖らせたベッキーの目はすっかり。子供の頃の楽しかった思い出がリンクしていた。
━━━それから程なくして。
『第一試合勝者は、可憐な少女でありながら凄まじい実力を秘めた選手。ベッキー選手でした!』
「・・・・ふぇ・・・、あれ?、お兄は・・・・・・」
キョトンとしていたが、周りの歓声にビックリして、それから自分の周りを見ればすっかり綺麗になった闘技場の上に、ベッキー一人が立っていた。
「・・・あっ、やっちゃた~、えへへへへ♪」
照れ臭そうにテヘへペロペロをやっていた。
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「あちゃ~、また自分の世界に入っちゃてたのか~、ここがゲームで良かった・・・」
クリスはしみじみと安堵の吐息を吐いていた。
もしもリアルでああなると、もう今の実力では、クリスでもおいそれと止められる自信は無かったからだ。
サミエル「・・・・・・・・・・」
セリシア「・・・・・・・・・・」
ウータン「あちゃ~、久しぶりに見たかも」
ヨッシー「よっぽど楽しかったのかな~」
ミィー「あのベッキーに付き合うのは大変」
リオ「・・・・・なんか凄い子ね~」
セオ「・・・・・うん」
「あっ、アハハハハハハハハハハ・・・」
思わず乾いた笑いで誤魔化すクリスの顔は、ひきつっていた。
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『海外サーバー・エンドアース酒場』
『オオオオオオオオオ!?、ジャパニーズキューティーガール、私は貴女にきゅんです!』
『『『格好可愛いい!、お姉さまと呼びますね~』』』
綺麗なお姉さま方に見初められたベッキーに格好可愛いいとか、きゅんですとか黄色い歓声があがっていた。
姉弟揃ってコアなファンが付きそうな・・・。
それはまた違う話であった。