欲望のファイナルファイト
『闘技場』
イベント最後の締めくくりに運営はMVPと言う名前の争奪戦を開催すると言うのだ。
言うなれば原点回帰で、イベントを終わらせるつもりのようだ。
MVP争奪戦に参加するプレイヤーは、一斉に闘技場に集められた。
『全く突然だな・・・』
まさか僕らも、違う空間内に飛ばされるとは思わずやや戸惑っていた。
『・・・ここは、何処だろうか?』
レディ・メーカー『レディースエンジェントルマン、そこいくお姉さんお兄さん、おばちゃんにおじいちゃん、皆様ようこそMVP争奪戦へ!、わたくしレディ・メーカーが説明致します』
これはまた胸がこぼれ落ちそうな超ビキニを着た名物NPC、男のプレイヤーに大人気のレディ・メーカー嬢の登場である。
「なぜ参加者以外のプレイヤーの皆様も違う空間内にいるのかと言いいますと、イベント期間内で手に入れたBP、ウェーブマネーを争奪戦に参加者にベッド出来るからです。
また。ただ観戦するのも結構ですが・・・、優勝者を当てたプレイヤー様にはなんと!、掛け金が10倍となります」
『『『『『『うっ、うおおおおおおおお!?』』』』』
この場にいたプレイヤー、特に大して稼げていない初心者が多いだろうなが、怒声を上げていた。
まさに一攫千金、最後の最後でこれである。
『あらあらやってくれるわね~、クリス君はどうするの?』
『勿論、やりませんよ』
『まあ~、そうよね~、無理してまで掛ける必要は無いしね』
サミエル姐さん、セリシア姐さんが苦笑していた。
ウータン『お小遣いアップ・・・』
ミィー『お金があればスイーツが』
ヨッシー『ちょっと!、そんなんで使っちゃたら年末一緒に遊べないからね!』
『『ううう、はぁ~い』』
意外としっかり者のヨッシーに釘を刺されて項垂れる二人であった。
『まあ~、スイーツなら家に遊びにおいでよなんか作っておくからさ』
『ほっ、本当ですかお兄さん!』
『プリン、ミィーはバケツプリンを求む!』
ヨッシー『えええー!、いいな~、お兄さん冬に行ったら私も食べたいにゃ~』
『心配しなくても、ヨッシーには郵送してあげるから』
『えええー!、本当かにゃ?』
『まあ~、ベッキーに任せるから大丈夫だろ』
『やったー!?、お兄さんのスイーツ食べれる』
『良かったね~』
『一安心にゃ~』
『お兄さんナイス、ブイ!』
どうやら三人も欲望から上手く抜け出せたようだ。
『あら、クリス君ってばなかなか上手く誘導したわね~』
『そうよね~、なんだかんだ言いつつも本店と貸倉庫を貴族に認めさせたんだから大したものよね~』
なんだかんだワイワイと周りが盛り上がってるなか、クリス達は平常運転に舵を切っていくようだ。