ようやくイベントの終わりが見えてきたようです。
どうにかその日の夕方には、第一騎士団と異界の冒険者達の頑張りによって、
厄介なナイトゴーレムを破壊したと言う報告を受けたのは・・・、
なんとも言えぬが、クリスから西城ワイゲンのこと聞いて褒賞を出して間も無くのことであった。
★ワイゲン公爵視点
「ふむ。ようやくか・・・」
この時点では、まだ自分の犯した失態に気付いていないワイゲン公爵は、安堵の表情を浮かべていた。
「これでヤリー・チーンノ・ランベルク殿下も。最早手段も失われたと見て良いだろうな・・・」
朗報は少しは貴族軍も役にたつように『明星』のジジイ殿に預けたのが良かったか、精強な第一騎士団程ではないが、なかなか強くなっていると報告を受けていた。
此度の内戦で多大な功績を上げた大手クランがあったので、そのまま内戦で活躍させる訳にもいかず『聖騎士団』には、
そのまま第二騎士団跡地を与えて、一から砦を築かせる許可を与えている。
あの地から先は、国境の街まで広大な荒れ地が多いが、自然のダンジョンが突然現れる危険な地であるので、『聖騎士団』を正式に我が国の騎士団の一つにすることが決まっていた。
ようするに防衛手段の一つとして使おうと言う事だ。
醜聞は悪くなるが、領地を与えたと同義になるため財政難になるだろうこの先を考えての褒賞であった。
『明星』には、兵士の育成を依頼していた。元々ジジイ殿には、王国指南役と言う名誉職を与えているが、あれほどの使い手である。教える事まで才ある御仁であったのには何が幸いするか分からないがものであるし、王国としても悪いことでは無かったのだ。
褒賞も土地を与えることになっていた。
そう『クリスタル商会』にも土地を与えることになっていたのだが、思ったよりも安上がりになったとほくそ笑んでいたりする。
だが、ワイゲン公爵はプレイヤーを甘過ぎるほど甘く見ていたので、後数時間程で最初の失態を知ることになる。
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『おい聞いたか!』
『ああ、なんでもあのクリスタル商会がこの衛星都市の貸倉庫を正式にワイゲン公爵閣下から褒賞されたそうだ!』
『なんとも豪胆であるな~、あれほどの広大な土地をか、我々もクリス殿にあやかりたい物よな』
『そう、それよ!、そのお裾分けと言うことで最初の月半額で倉庫が借りれると言うことだ!』
『おお~!?、真か!、流石は商人から成り上がった貴族様だな、我々のことも考えて下さる』
『ああそうよ。なんと言ってもあの三大ギャングの一角『スペクター』を倒したた『ダルク』にも関わっていたと言うではないか』
『おおー、それな聞いてるぜ』
元集落1だった衛星都市1に集まる商人はにこやかに新しい貴族であり商人であるクリスの噂に余念がない。
何せ商人の利益にも寛容な貴族等、この国に殆んどいなかったのだ。商人達が沸き立つのも頷けることであった。