ただいま~
小さな町にひときわ目立つ巨大は建物、
遠目に見える王都の城にも負けない巨大な建物に、多くの人々が沢山訪れていた。
『デパート越後&三河屋』はかなりの人気のようである。
「あっ、お兄だ、お帰り!」
ベッキーがブンブン手を振ってピョンピョンと跳ねていた。
妹よ。兄は少し恥ずかしいから止めなさい。それから妹の後ろで、険しい顔でオコな様子のリオと、姉の後ろでおろおろしてるセオが待ち構えていた。
なんだかんだ嫌な予感がするんだけど。回れ右していいかな?、
セオが手を合わせて此方を見ていた。姉の相手をしてほしいとのゼスチャーである。
セオって、センリ君に負けない美少年なんだけど、お姉さんのリオが強烈過ぎて、印象薄いんだよね~。
これ逃げたらダメなやつだよな~。
仕方なく僕は妹の元に歩いて向かった。
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さっきからベッキーが僕の腕に抱きついて甘えてくる。これは寂しかったベッキーの癖に当たる。最近はそんなことも減ってたからなんだか懐かしい気分になった。
「エヘヘ~♪、なんだか新鮮」
「そうだな~、受験からしばらく一緒に出たのはこの間くらいだしな~。イベント終わったらプールでも行こうかな~」
「あっ、それいい!、二人も誘っていいかな~」
「良いよ~、ベッキーがそれでいいなら」
「お兄~、あのね~」
「はいはい、プールの分は出すよ」
「やった~!、エヘヘ」
こうしてリアル以外で話し込むのも不思議な気分である。
「・・・・・(ソワソワ)」
さっきから視界の端々に見え隠れするリオが気になっていた。
リオがなんだかソワソワしていた。
どうも人見知り全開のようであるが、
ベッキーはその事に気づいてないのか、気にしてないのか、我が妹ながらいつもと変わらないな~。
「もう~聞いてる~、お兄、色々大変だったんだからね~」
どうやら姐さん達がやらか話に変わっていたようだ。これはしばらく話が止まることはないな。
リオには悪いが、ここでベッキーの機嫌を損ねるとしばらく苦労するので許してほしいとクリスは、そっと心のなかで頭を下げていた。
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★リオ・バイナーズ視点
昨日、疲れていたせいかすっかり寝てしまったのは悪かったけど、なんで置いてくかな~私を。
セオとクリス君を訪ねて行ったら既に出掛けた後だった。
もう~、信じられないんだから!、
私達を仲間にしてくれるって言ったのに忘れて出かけるなんて!、
ちょ、ちょっと格好いいからって許さないんだから。
こうしてリオとセオの二人はクリスを探すことにしたのだけども。
隠しメインストーリーを見つけたとかで、西城ワイゲンに出掛けた後だったのよ。信じられないんだから!。
プリプリ怒る姉の変わりにサブマスターであるサミエルと名乗る見た目、幼女ドワーフにクラン登録して貰いようやく、クリスタル商会のメンバーになった二人が安堵したのは、
それからしばらくたってからであったのを記する。