イベント12日目・・・
あれからすぐにサニアお嬢様の元に戻って当面『悪魔の蠍』が動けなくなったこと伝えたが、
二日ばかりサニアお嬢様に頼まれて護衛をしていた。
仕方ないにしても西城ワイゲンで二日も足止め食らった僕は、色々と諦め気分でアンビシャス君と再び王都前にある王国軍の陣営に戻ってきた。
もう・・・。
今さらこうなるとイベントを頑張る気も起きないよね~。
だから今さら焦って急ぐ必要も無いので、のんびり二人旅を食道楽感覚で、様々なモンスター、動物のを狩りして僕が色々な料理して楽しんだのだった。
アンビシャス君は犬族だからか、狩りと聞いて大喜びだったことを記する。
「何だか・・・、賑わいが凄いことになってませんか?」
「まあ~、姐さん達だしね」
アンビシャス君の言いたいこともよく分かるよ。でも姐さん達だしね。
「ああ~、アハハハハ・・・、凄いのはクリスさんだけじゃ無かったんですね~」
それはどういう意味かな~、じとりとした目で見ると、何故かアンビシャス君がさっと目を反らしていた。
でもなんだろか・・・、
アンビシャス君の言葉が、妙に胸に刺さるのは・・・、
僕は普通だよね!。
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『デパート越後&三河屋』
デカデカ垂れ幕が下がっており、遠目にも見えてるあのバカデカイ建物は、少なくとも僕達が後に。姐さん達がやらかしたのかな~。
見ない合間に、王都近くに小さな町が二つも出来ていた。
「こう言うの衛星都市と言うのかな?」
「さあ~?」
アンビシャス君なんだかなげやりだね~。
どうも町と言ってもプレイヤーメイドで作られたからか、マップに町表示されてないのが気になるところだ。
でも、姐さん達には到着したのメールで知らせてあったので、ベッキーが出迎えに来ると直ぐに返事がきたので、そろそろかな~とか思っていると。
「お兄!、ミズリーちゃんは」
妹よ、第一声が宝石獣のこととは何だか胸がモヤモヤした。
腕輪に変身してるのに腕輪が身動ぎしたように感じた。
「はあ~、ミズリー」
僕が諦めの胸中でお願いするとなんとなくしぶしぶ僕の腕から離れてミズリーが猫の姿になった。
「うわあ~、凄い!、ミズリーちゃん変身できたのね~」
ベッキーが目をキラキラさせながらミズリーを抱き上げて、凄いを連発していた。
妹よ。もう少しマシな語彙はないのか、将来が少し心配だよ兄としては・・・
溜め息しか出ないクリスだった。