運営の手違いと支配領域
落ち込んだのもつかの間
『てっ、敵襲だ!』
『くっ、舐めやがって』
今の攻撃に無力化できた騎士も多いが、半数の10人が瓦礫から起き上がってきた。
しかしダメージが大きかったのか、HPは半分もなく、まともに装備してる人物もいなかった。
N・騎士「・・・卑怯者めが・・」
顔を真っ赤にして憎々しげに睨み付け、意味不明なこと言い出した騎士に、クリスは呆れた顔をしていた。
「バカばかりだな~、侯爵の騎士と言うのは」
「・・・クリス、さん?」
何時もの人当たりの良いクリスしか知らなかったアンビシャスはぎょっとしていた。
「なっ、なんだと!」
怒り、震える騎士はどうにか剣を手にして立ち上がる。
「お前らは今は騎士ではないだろ、ただのごろつきでしかない何せギャングの援軍としてだされた者達なのだろ?、ここは戦場の真っ只中だ。お前らは戦場にいて襲撃されて卑怯と言うのか?、襲撃したのだされるのは当たり前であろう」
「なっ、なっ・・・」
恐ろしい程に正論であった。その事に騎士達もようやく理解したようだが、あまりにも遅すぎた。
『見事!、見事な覚悟である。戦士とは斯くあるべきだ主よ忘れることなかれ』
「・・・・・うん!」
アンビシャスは、自分が思い上がっていたことをガツンと殴られたように気付けた。
目の前の騎士達は、それに気付く暇を与えられなかった。それだけであるが、その差は大きな違いであった。
クリスは容赦なく騎士達をほふっていた。
まさに戦士の矜持を垣間見た気がした。
『本当に善き師を得たな我が主よ』
「うん!」
今度こそアンビシャスは、クリスを自分が見習うべき人物であると心から認めていた。
こうして始まりのメインストリーメインキャラクターは成長していくことになるのだが、
それを知るのはまだまだ先の話であった。
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『『ダルク』が『悪魔の蠍』の拠点を奪いました。これにより歓楽街は『オイデヤス』『ダルク』の支配領域になったため『悪魔の蠍』の構成員は不可侵領域となりました』
いきなりワールドアナウンスが流れてクリスは首を傾げていた。
「これは一体?」
驚いたのはクリスは無論、宣戦布告していた『悪魔の蠍』の面々もであった。
『クリス様にお知らせいたします。運営』
「運営からメール?」
首を傾げながら、メールを開いた。