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呼び出されたクリス君




『集落2』





 配達も終わったことだし、このまま姐さん達のお見世に戻って、ミズリーの様子見て回収しないとね~。


「クリスさん・・・、これからどうします?」

「そうだね~」

「あっ、クリス様お久しぶりでございます!」


 二人で話しているところに聞き覚えのある女性から声を掛けられた。


「ん?、あっハナさん、お久しぶりですね~」


 ハナさんがこんなところに居ると言うことは・・・


レティ「はっ、はっは、まったく!、やっと追い付いたわ、急に走らないでよハナ~!」

「あっ、ゴメ~ン、クリスさん見付けたからつい見失わない内に捕まえようと思ったら、走ってたのゴメーン、エヘヘヘ♪」


 相変わらずなようで何よりですね。


「あら、クリス君じゃないのよ~、久しぶりね~」 

「お久しぶりです。直接会うのは食ワンGPいらいですかね~?」

「そうね~、何だか色々忙しくて私達もあんたも色々あったもんね~」


 レティの顔色がいまいち悪い、目の下にクマが住んでいたし上手く化粧で隠してるけど疲れは隠せていないようだ。


「良かったらこれどうぞ」

「あら・・・、これって回復薬よね?」

「はい、もう僕のレベルでは使わないので、良かったらですが」

「フフフフ、変わらないわね~クリス君は、貴族になっても」

「当たり前です。僕は商人でありサニア様の騎士ですので」


 おどけたように肩を竦めて見せた。


「あら、そうだったわね~、クリス君は、お嬢様の騎士ですものね~、有り難く頂くわね。ウフフ♪」

「良かったね~レティ、ここに来るまで無理してたから、私凄く心配してたの!」

「・・・そっ、そう、ありがとうハナ」


 照れ臭そうにはにかむレティ、何だか急いで来た様子である。


「良かったら、公爵様の天幕まで案内させて貰えないかな?」


 何となくここは同行した方が良いと判断した。


「ええ助かるわ、ちょうど貴方にも用があったことだしね」


 こうして僕とアンビシャス君はレティ、ハナの二人の護衛としてワイゲン公爵様の天幕に向かった。








━━━━━━━━━━━━




『ワイゲン公爵陣営』





 僕の案内と言うことで、無事二人は、公爵様と謁見することが出来た。


 その間、僕とアンビシャス君は念のために控え室で待ってることにした。


それから程無くして公爵様から呼び出された・・・。








━━━━━━━━━━━━




★『ワイゲン公爵』視点



 まさかその様なことになっておるとはな・・・、

このままでは足元が揺らぎかねないわい・・・。


 ワイゲン公爵は、ハナ、レティが娘よりの手紙を読んで厳しい顔をしていた。


『お父様、デススコーピオンが西城乗っ取りを画策しております』


 まさか王弟とデススコーピオンが裏で繋がっていたとは、ワイゲン公爵の額に汗が滲む。


 現在、西城ワイゲンは手薄である。もしも西城ワイゲンが奪われでもしたら他国から攻め込まれかねない危険な状況であった。


 西城ワイゲンの闇には三大ギャングがいて拮抗していたのだが、

 奇しくもクリスが立ち上げた組織的『ダルク』によって『スペクター』が壊滅して『ダルク』が三大ギャングの一角に収まった訳だが、


 この度の内戦で『スペクター』の元ボスアルカーノ・バッテリーノを配下にしたクリスによって、傭兵してこの内戦でも活躍していた。


 現状、『ダルク』の将軍と呼ばれていたサイモス・グリンバレーを引き抜きワイゲン公爵の百人隊長に就任させていた。

 そのためやや『ダルク』は暴力の要がいなくなってる状況であった。


「ここで『悪魔の蠍』が動き出すとはな・・・」


 苦々しい物を吐き出すように呟いた。


ハナ「あっ、あの~閣下」

「・・・如何したハナよ」

「はっ、はい、その~、クリスさんが心配して控え室で待ってて下さってまして・・・」

「おお~、そうであったな・・・、そうか!、クリスがおるではないか」


 しかも控え室に待ってると言うことは、何かしらの事件が起きたと察して控えていたと言うことになる。


「フフフフフ、アハハハハハハハハハハ!」

「こっ、公爵様?」


 目を白黒させるレティ、ハナには悪いが、これはもう偶然と片付けるにはいかなくなていた。


「それで控え室にいるのはクリスだけなのか?」

レティ「いっ、いえ精悍な顔立ちの犬族の青年が一緒でしたわ」

「・・・そこまでそろうと、凄いものだな・・・」


 その昔、英雄と呼ばれる者ほど事件に巻き込まれる運命にあると言われている。


 そう、それではまるでクリス君を英雄にでもしたいようではないかと、らしくもなくワイゲン公爵の脳裏に一笑に付する考えが過った。


「クリスを呼んで来てくれたまえハナ」

「はい!」


 元気よく笑顔でハナが退出するのを公爵は見送っていた。







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