クリスは何でも屋?6
N・執事「おお~!、それはそれはなんという幸運であろうか、これで我が家の兵士に回復薬が渡せるのですね!」
安堵の表情をする初老の執事さんの言葉から、
なんだかややこしい話に巻き込まれた気がした。
クロエ「商会長、薬の仕入れはどうでしたか?」
なんだか目配せをされたので、取りあえず合わせる事にした。
「予定より少ないが、それなりに集めれたと思うよ、クロエ受け取ってくれないかな?」
「承知しました。お客様少々お待ち下さい」
満足気なクロエに拉致される気分を味わいながら、豪奢な馬車の中に押し込められる。
クロエ「はあ~、クリス様助かりましたわ、それで回復薬の方はいかほどで?」
「ああ~、今だすよ」
なんだか様とか言われてるけど、どう考えても僕はただの配達係だよな~。
溜め息を飲み込んで、インベントリー160から品々を選んだ。
・『回復薬・小』×99
・『回復薬・小』×99
・『回復薬・小』×99
・『回復薬・小』×99
・『回復薬・中』×99
・『回復薬・中』×99
・『スタミナ薬』×99
・『パワー薬』×99
・『魔力回復薬・小』×50
・『魔力回復薬・中』×25
以上を出しますか?『yes』『NO』
『yes』をタップすると馬車の中に姐さんに頼まれた配達品々が、綺麗に整頓されて陳列される。
「!?」
「取りあえずこれだけかな~」
「そっ、そうですか・・・、流石はマスタークラスの薬師ですね(嘘でしょ!、昨日の今日で此だけ用意するなんてとんでもないわね・・・)」
クロエの心の声がテロップとして流れていた。クロエも驚く事があるんだね~。
ちょっとだけ安堵したのは内緒である。
クロエ「これだけあれば今日は持ちます。クリス様ご苦労様でした」
珍しいことに満面の笑みを浮かべて、深々と綺麗に一礼したクロエに、僕は少々気圧されていた。
(流石はわたくしが選んだクリス様ですわ~♪)
なんだかご機嫌なようで安心ですよ。
「じゃあ、こっちはお願いねクロエ」
「おまかせ下さい(ふふふ、クリス様を驚かせてあげますわ~)」
何故か肉食獣に狙われてるような不思議な感覚を覚えて身震いした。
(今のはなんだったんだろう・・・)
「クリスさんお疲れ様です!」
小走りに走るアンビシャス君は、なんだかラブリンとダブルな尻尾が揺れてるしね~。
━━━━━━━━━━━━
《元闇ギルド・賞金稼ぎギルド》
タイチ「よし!、上手く入り込めたな」
「だな、なんだか闇ギルドの連中も及び腰ぽいな」
「だな~、負ける可能性が高くなってやる気が無くなって来たのかもな」
タイチ「ふん、そんなもんだろ、どうせ俺達も似たり寄ったりだろ?」
「違いないな」
「まあ~、少しでも金を稼がないとな」
闇ギルドの面々は重課金者が多いのは必然的である。
真面目な奴ほど課金はしないものだ。