クリスは何でも屋?3
しばらく妹と歩いてると。
何故か木製の小屋が遠目に見えて来た。辺りはテントや馬車での店である。小屋でも目立つ上に、和風な暖簾が下げられており、
デカデカ看板が立てられてるのが見えた。
『越後&三河屋』
ずいぶんと懐かしい店だね~、いや和風なら、お見世が正解なんだよね~。
今でこそお店が一般的だけど、明治前までお見世と表記されていた。
それは客に品物を見せるから見世だったようだ。
その前は屋号で呼ばれていたようだけどね。
「また懐かしい名前を・・・」
「ん?、そうなの」
ベッキーの不思議そうな目に、「まあな」と答えてから和風テースト満載の店内に入った。
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「いらっしゃ~い、お客様~」
なんだか懐かしさを感じさせるホルム、モルトであった。
可愛らしい着物姿のモルトを写メするプレイヤーも多いようで、外の見た目と違いかなり広い見世になっていた。
「えへへへ~♪、モルトちゃんって言うんだよ~。可愛いよね~」
「・・・・・そうだな」
見ればチームケモナーの三人も売り子をやってるようで、同じく可愛らしい着物姿であった。
「サミエルさんに作って貰ったんだよ~!、えへへへ♪」
かなり嬉しかったのか、ミズリーの背中に顔を埋めてすーはーしてる。ミズリーは迷惑そうな顔をしていた。
心の中でミズリーに手を合わせる。
サミエル「あら、クリス君おはよーかしら、奧に入って手伝ってちね~」
「あっ、はい」
どうやら配達もやってる感じだ。さてさて何をやらされるのやら・・・、
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ベッキーはお見世のお手伝いをやると言って、ミズリーを抱っこしたまま行ってしまった。
悪いなミズリー、しばらくベッキーの事を頼んだぞ、本当にミズリーには悪いと思っている。ココナにベッキーとね。
だけどなんだかんだミズリーは優しいから面倒みてくれるから助かるよ。
見世の奧に入るとセリシア姐さんがゴリゴリと薬草を煎じていた。
セリシア「あっ、ようやく来てくれたわねクリス君!、悪いけど配達お願いね~」
「そう言うこと、本当に悪いけどお願いね」
あっ、やっぱりですか、
「了解で~す」
どうも回復薬・小、中の大量注文が入ったようで、作る方が大変な様子であった。
それ以外にも人がいれば様々な薬を必要とするNPCもいたりする。
僕は、もうひとつの集落になってる方のクリスタル商会が出してるお店に納品してくるのが僕の仕事らしい。
流石はクロエさんである。姐さん達を働かせるとか凄いよね~。
NPCの中でも相当優秀なAI搭載されてるようだ。
しかも僕は放置され何気にクリスタル商会の店を集落に出すとかやり手過ぎないか?、
(その内、クランが乗っ取られたりして・・・)
ちょっとあり得そうで怖かった。