クリスは何でも屋?
僕はそうそうに、一度天幕に戻りって、食事を食べてから仮眠を取った。
「くっ~・・・はあ~、ゲームの中なのに寝た気分になれるのは不思議な気分だ」
「にぁ~ん♪」
おはよーご主人。ゴロゴロ
「おはよ~。ミズリー」
ゴロゴロ頭を擦り付けてくるミズリーを撫でてると。珍しくシャドー丸まで出てきてミズリーと一緒に構って欲しがったので、喉元撫でたり、指で頭を撫でて上げると嬉しそうに目を細めていた。
「改めて見ると、お前の背中変わった模様だな~」
ちゅ~?
そうですか~って、微かな感情がなんと無く伝わってきた。流石は小さなネズミでもユニーク個体である。頭が良いらしい。
「うん、なんとなく星が煌めいて格好いいね」
ちゅ~?、ちゅ~ちゅ~!
そうですか~?、えへへへもっと誉めるです~!
シャドー丸が小さな胸を張るように小さな鼻をピクピクさせる。
なんだかネズミもよく見ると見た目は可愛いものだね~。
よくよく考えたらカピパラとか、モルモットとか可愛い系のネズミはいるよね~。
まあ~古い家とかにいるクマネズミは色々と厄介だからな~。
そのうちさんちゃんが捕まえてこないよな?、
本家なら良いけどうちの場合、もしそうなったら必然的にお片付けは僕の担当になるんだろうな~。
そう考えたらさんちゃんは家猫になってもらおうと固く思ったクリスだった。
ベッキー『お兄~、起きた?、起きたら仕事沢山あるから手伝ってね~!』
起きてすぐに妹からのメールである。今度はクランメンバーのお手伝いに駆り出される予感を感じながら、
「はあ~、仕方ない行こうか」
「にぁ~ん!」
がんばるにゃん!
ちゅ~ちゅ~!
頑張るです~!、二匹に励まされ、クリスはベッドから降りて身支度を始めた。
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天幕から出たらすぐに手をブンブン振るうベッキーの姿があった。
「お兄!、遅い」
「・・・いやいや遅いとかいわれても起きたばかりだし」
兵士「・・・あの~、クリスさん、その子は本当に貴方の妹さんですか?」
おずおずと言った感じで兵士さんが声を掛けて来る。
「ええ、間違いなく血の繋がった妹ですね」
「・・・・・・・・」
「ほら~、ねっ、言った通りでしょ~」
兵士はなんとも言えない顔をしていたし、ベッキーは得意気であった。
最初意味が理解できなかっけど、兵士とベッキーの話を聞いて納得した。
「ああ~、なるほどね~」
「あっ、そっか~、ごめんなさ~い。言われて気づいたよ~えへへへ」
「うむ、確かに顔立ちが似ておりますな~、獣人族の中にも違う種族で結ばれるとは、そのような夫婦もおられるのですな~」
兵士は勝手に誤解してくれたようだとベッキーも気付き、兄妹ならではの目で合図して頷きあった。
「ええ、そうなんですよ~、父が赤熊族で母が犬族なんですよ」
「えへへへ、あんまり気にしてなかったからごめんなさい」
「いえ、こちらこそクリス卿の妹君とは知らず失礼いたしました!」
「こちらこそ、知らせてなかったからね。しっかり仕事してくれてありがとうね」
彼は兵士として職務に忠実だっただけだ。一応貴族となったので、いくら同じクランの仲間でもどちらも悪くないのでお礼を述べた。
「はっ、ありがとうございます」
こう言った細かいところまで作り込まれてるから、僕も彼等を人間として扱うことにしていた。
「お兄!、サミエルさんが呼んでるよ~」
「姐さんが?、なんだろう」
「さあ~、お兄の力が必須だって言ってたから力仕事じゃない?」
「う~ん?、まあ~行ってみれば分かるか・・・・・」
こうして何でも屋クリスの1日が始まろうとしていた。