閑話・国王陛下の悪巧み
あのクリスという若者は良いの~。若いのに弁えておるし、抜け目もない。また人の縁に恵まれておるし、強欲ではない、欲望は人なりにあるが、どちらかと言えば希薄な部類である。
今時珍しい若者よな~、
商人であるからそれなりに欲はあるが、それは人間なら当たり前のことよ。
それを抜きにしてもクリスと言う青年は、ワイゲンが目を掛けるだけはあると感心していた。
内戦も終盤、大勢は決したと見てよい状況である。
このまま終われば王弟と王妃、第二王子の死刑を行った後の事を考えていかねばならない。それが為政者であるのだから、
(うむ、そうだ!、あの地の代官として派遣するのもよいかもな・・・)
こうしてクリスは、この国のトップである国王陛下にも目を付けられたようである。
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★ワイゲン公爵視点
無事、娘が見出だした娘の騎士は多大な戦果を上げて帰還した。
そのせいか、正式な貴族とされる男爵に陞爵されたのはいかたしかあるまい。
あの様子では貴族になったとしても変わらないだろう。
あの若者には出世欲があまり無いようだ。
(それでも陛下の事だ。クリスのことを気に入ったに違いないな・・・、娘になんと言えばいいのやら・・・)
なんとも困った陛下であるが、嬉しい誤算を何度も味会わせる商人である。
何せ、『拳王』がわざわざ護衛のように着いてきていた。
(これを見てしまえば、後々色々と動く貴族もおろうな、我が国もしばらく大変であるが、クリスにも苦労を掛けることになりそうだ・・・)
そっと済まなそうに苦笑していた。
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★アンビシャス視線
やっはりこの人は違う!、
僕より弱いのにとてつもなく強い。なんだろうか何故クリスさんはここまで自由でありながら、たのしそうに生きているだろか?、
普通、陛下があんな無茶を命じれば不満の一つや二つ誰でも言うに違いないのに、
愚痴一つ言わない処か、沢山の仲間を集め皆の力で乗り越えて見せた。ただ強い者は沢山いる。
失礼だけどクリスさんは弱い。僕よりも、闘技場に参加する冒険者の中に入れば簡単に負けてしまうに違いない。
でも・・・・。
『そう、クリスさんは何かしらやりそうで怖いんだ。強さってなんだろうか・・・』
メインストリーのキャラクターは、AIの成長によって結果が変化するシステムであった。
それゆえメインキャラは、エンドアースの世界ので大きな影響を与える。
どのように育つかは、プレイヤー次第である。
その事をクリス達プレイヤーは知らなかった。