歓喜の貴族達に囲まれるクリスは居心地が悪い
程なく信じられない報告が次々と入ってきたのだ。
「なっ、なんだと!、レッサーデーモンの群れをあの可笑しな連中が倒してるだと・・・」
絶句していた。
何せあの連中は奇抜なファッションに身を包み。可笑しな髪型をしてるしどう見てもヤバい者にしか見えないのだが、その活動は見せかけだけの聖職者とは大違いである。
なんと自費で貧困者に炊き出しをしたり、仕事を世話をしたりと。
見た目に反する行動で有名なクランであったのだが・・・、
まさか全員が僧侶か僧兵職持ちだったとは・・・、人は見た目で分からない物であるな~。
国王はしみじみそう思った。
どうも我は知らなかったのだが、詳しく聞けばバローゼの奴は、あの若者の交遊関係に詳しかったったらしいく。
我も知っておる大手クラン明星とも交遊があったとか、
なるほどの~・・・。
あの若さでワイゲンのお気に入りとなるのだ。やり手であるようだな。
それに・・・。
冒険者としても優秀な人物であったようだ。
それから様々な事が起こりすぎて、意味が分からなくなっていたのだ。
何がなんやら混乱してしまう事が多すぎだ!。
何なのだあやつは!、
そして、間も無くクリスが戻ると。
先ほど兵士が報告に来たので、我はようやく安堵したものだ。
━━━━━━━━━━━━
クリスとアンビシャス君とで豪奢な天幕をくぐると。多くのお偉いさんが待っていた。
なんとも重っ苦しい雰囲気だったのが印象的だ。
クリス「ただいま帰還いたしました」
クリスの身体は自動的に動き出した。
どうやらまだ何かあるようだ・・・、
国王陛下「うむ、報告は受けている。それで色々ありすぎていまいち信じられないのだ。そこで当事者のその方の口から聞きたいのだ」
あっ、なるほどね。あれはちょっとね~。
納得した。
僕の身体は自然と動き出して、陛下からの命を受けてからの出来事を話した。
ワイゲン公爵「ほほ~う、クリスは契約獣もいるのだな」
「はい、影ネズミと言うユニーク個体のようで、契約者と視界の共有が可能です」
何故僕が細部まで詳しく話せたかをつつかれ僕も知らない『シャドウ丸』の秘密を知ることになって少しだけ驚いていた。
(シャドウ丸ってユニーク個体だったのか、知らなかったよ・・・)
「ほほ~その方は、変わっておるのだな、それで」
それからなるべく詳しく、レッサーデーモンが現れた時に聞いた不気味な声のこと。
現れたレッサーデーモンに対してでは、明星も苦戦していたところに、世紀末弱者達が援軍として到着したことで、形勢が変わったこと。
クランイカの香りのクランマスターが、フィールド変化の大規模魔法を使ってから、クラーケンを呼び出してメンバー全員で、拘束したレッサーデーモンを。
フィールド魔法の効果を使って水没させ溺死させる
奥の手を出したことを話した。
「それほどの水の魔法使いがいたとはな・・・」
貴族の誰かの呟きに感嘆の声が出ていた。流石にクラ姉さんのことは説明出来ないし。ましてやアイドルなんてどう説明しても理解してもらえないだろうね。
「ふう~、やはり本人に聞くのと伝令兵から断片的に聞くのでは大違いであるな」
何度も頷いてようやく理解したぞと満足そうだった。
国王陛下「クリスよ。その方見事に我の命を達成したよって男爵に陞爵させる」
「はっ!、ありがたき幸せ」
「クリスよ疲れたであろう下がって休むがよいぞ」
こうして今度は準男爵から男爵に陞爵して今度は貴族様ですか、ようやく休めると安堵したクリスだった。




