緊急レイドクエストの微妙な終わらせ形
そんな訳で、レイドボスのフレッシュなゴーレムさんも動けないわ、出落ちだわ、HPもほんの僅かしか残ってないわで、何だか哀れに思えた。
僕が近づくと何だかフレッシュなゴーレムさんが涙目なような、ホッとした目をしていた気がしたのは僕の思い込みであろうか?。
『01:37』
せっかくだし、僕がだせる最大の技で送るのが礼儀な気がした。
クリス「【闘気】【溜め】【溜め】【溜め】【パワースラッシュ】」
決戦アビリティ【龍の怒り】
クリスの手にある青白く光る刀身が、真っ赤な闘気に覆われた。
『『『おおお~!?』』』
何だか周りが騒いでるな?、どうしたんだろ・・・、
気になるが今は、ただこの憐れなフレッシュなゴーレムさんに止めを刺すだけだ。
「ウォオオオオオオオオオ!」
渾身の力を込めてブルーメタルのロングソードを振り抜いた!。
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《エンドアース海外サーバーの酒場》
『『『おおお~!?』』』
『ジャパニーズ神龍!』
『こっ、これはカッコいい・・・』
クリスの背後に、凄まじい怒気を相貌に宿す神秘なる龍が鎮座していた。
クリスの動きに合わせて、龍は怒りの咆哮を放つ。
龍の怒りは雷鳴と雨を呼ぶ。
しかしクリスの放った一撃は純粋なエネルギーとなって放たれた。
それはまるで龍のブレスのように見えたのだ。
『オージーザス。神龍の使い手・・・』
この緊急レイドクエストの最後を飾るにふさわしい光景であった。
まあ~、それまでに予想外なことが多すぎて、みてる側は楽しんでいた。
それと予想外なプレイヤーが多すぎたのはいまめない。ギュート色々圧縮したように新たな人気プレイヤーの卵となりえる人物もちらほらとあらわれたのは言うまでまない。
イカホ率いるイカ娘達の人気が急上昇していたりする。
その濃い面々を率いた人物として、クリスタル商会のマスタークリスの名前は、人気ゲームとなりつつあるエンドアースの影響でゲームの世界では、有名になっていた。
それをクリスがしることはかなり先の話になるのだが・・・、
この時はただ。
消えて行くフレッシュなゴーレムと、召喚魔方陣を破壊出来て安堵していた。
『緊急レイドクエスト、ボスの討伐、召喚魔方陣の破壊を確認しました』
【レイドクエストに参加した全プレイヤーに8000のウェーブマネーを後日プレゼントいたします】
アリス『おおおお!?』
リステンテン『うそー!、マジマジ!』
イカ娘達『『『『やった~!?』』』』』
イカホ『助かるノシ』
ヒタチ『嬉しいんだけどな~』
ヒナタ『とうとう活躍出来なかったもんね~』
クリス『まあ~そんなこともあるさ』
アンビシャス(凄いや!、僕より弱いのにあんな凄い必殺技があるなんて)
大騒ぎするプレイヤーの中で、唯一のNPCであるアンビシャス君は、先ほどのクリスが放った決戦アビリティに魅了されていた。
神剣
『うむ、彼の力量は君より劣る。なれど様々な組み合わせをしてあのように強大な技を編み出すか・・・、我が主よ。あの者の元で精進するのだぞ!』
アンビシャス「うん!、僕は強くならなくちゃならないんだ・・・」
固い決意を込めた眼差しで、赤熊族の青年クリスの背を見ていた。
その顔は憧れていた人が、変わらずアンビシャスの憧れでいてくれたことが嬉しくて、パタパタと尻尾が揺れていた。
まだ本当のメインストリーはこれから始まるかもしれない。