【古代魔法】
そう、クリスは気付かなかったのだ。リオのやることに、
それは女の子が初めてどうにも出来ない感情の爆発が発動のきっかけのようにリオの怒りに似たエネルギーが放たれた。
そのエネルギーは、邪魔したヒタチもろとも吹き飛ばそうかと本気で考えたほど過激なものであった。
ただそうなるとクリスにも迷惑が掛かると気が付いて、ちょっと強力な【古代魔法】にすることにした。
リオ「【焔】」
聞いたこともない言語、複雑な紋様をリオが持っていた杖が空中に浮いて踊るように描く。
リオの手がまるで見えない扉に鍵を差し込むように動かすと。
杖が、紋様に刺さる。
ガチャと聞こえた気がした。
その瞬間、暗闇に侵食されていたフィールドに。一雫の赤い何かが、
空からジャイアントフレッシュゴーレムの上にポタリと落ちた。
触れた瞬間。
ゴオオオオオオオオオオ!?
凄まじい勢いの炎に包まれた。
余波でクリス達が弾き飛ばされ、凄まじい熱気を感じるほどの熱量であった。
クリス「あっ、あつ」
イカホ『今、【水膜】を掛けたノシ!』
セオ「姉さん・・・、良かった・・・、まだ分別がついてて」
此だけ強力な魔法を放っていて安堵したセオ。クリスは背中に嫌な予感を覚える。
リオ「・・・・・・・・(じぃ~)」
無言の圧力を感じだ。
クリス「(こっ、これはこの間の)」
チラリとセオを見ると、ハラハラした顔をしてるのを見た。
これはあれだよね~?、
クリス「・・・すっ、凄いな~、流石は、うわさの最強魔法使いとリオだよね~」
と、取りあえず棒読みにならないよう気を付けて褒めて見たけど、これであってるかな~?。
リオ「・・・フフフフ、当然じゃない」
急に威圧感が消えた。どっ、どうやら正解を引いたようだ。
セオ「(クリスさんナイス)」
セオが親指を立てて口パクで伝えて来る。取りあえず頷いておいた。
(何だか、難しい女の子だな~)
ほっと安堵したクリスだった。
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★アリス・リリステ視点
何だか分からないけど、何よあの子の魔法は!、強力過ぎるでしょ!、
リオ・バイナーズって噂になってた女の子が放った魔法は、一撃で凄まじいダメージをジャイアントフレッシュゴーレムに与えていた。
一応、レイドメンバーにダメはなかったけど、一発の魔法の余波がくる魔法なんて初めてだわ。
オバチャン「あらあら、過激ね~、でもなんだか女の子よね~、ウフフフフフ♪」
意味が分からないんですけどー!
リステンテン「びっ、ビックた~」
「大丈夫?」
「うん、平気だよ~、なんだか凄い魔法だね~♪」
何故かご機嫌なリステンテンに嫌な予感がした。
「私も、あれくらいの破壊力あるアイテム作りたい!」
アアア~やっぱりね。
困るのよ。せっかくケモナーで誤魔化せると思ったのに、そんな時に限ってクリス君てば連れてきてないし、なんか過激と噂の魔法使い連れてきたしね。
「と、言うわけで~、アリスちゃんアイテムの収集よろしくね~」
「・・・・・はぁ~、結局そこに戻るのね~」
リステンテンは、いわゆるマッド系とかつくもの作りの変わり者である。見た目が小動物系とか、癒し系とか、可愛い見た目に騙されると酷い目に合うのだ。
彼女が一旦こうと決めたら、あのジジイさんもタジタジになるのよ~。
ある意味オバチャンクラスの怖い存在であった。
オバチャン「あらあら、リステンテンちゃん楽しそうね」
「はい!」
ウフフフフフ笑い合ってるけど、寒気が止まらないよ~、
絶対クリス君には責任取ってもらわなきゃ、
こうして知らないところで、クリスは知らないところで、何だかに巻き込まれる事が確定したのだった。




