閑話・イカ娘フィーバー
まさかレイド中に、ライブをやりながら中ボスと戦うプレイヤーが現れるとは、運営もまさかな思いで魅入ってしまった。
その間に、レッサーデーモンの群が駆逐されてしまていた。
運営の内戦イベント任されていたチームのチーフが 思わず頭を抱えていた。
「いやいや、あんなのアリですか主任!」
「うわあ~、マジか・・・、こんなこと予想外過ぎるだろ」
慌てて責任者である課長に内線を入れてこれをライブ配信して良いのか、仰いだ。
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余波は、たまたま世紀末弱者、明星、クリスタル商会という人気クランのライブ配信を見ていた視聴者は、ざわめいていた。
『クラーケンのオネエで、クラ姉さんって・・・』
『何だか、混ぜたらデンジャラスな組み合わせだと思ってたら・・・、もっとカオスなダークホースクランがいたな・・・』
『でも、面白いな!』
『確かに』
視聴者からの回答は、意外と好意的であった。またアニオタは世界共通であるようで、意外と海外の方が人口は多いようで、イカ娘ファンが反応していた。
そう・・・。
運営が、驚く程のイカ娘ブームのビックウエーヴが、ゆっくりと波紋を広げるように、ネット住民に知れ渡ることになったのだ。
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『とある居酒屋での一幕』
「ちょっとこれ見てみろよ」
「へっ、これイカ娘?、うわあ~スゲーなカンコピしてるぞこの子達、でもこれってゲーム内の映像だよな」
「ああ~、なんか人気になってるゲームのイベントなんだけどさ、俺が気に入った人気クランの視聴してたら偶然、始まってビックしてよ~、お前確かイカ娘好きだったろ?、だからスマホに落として来たぜ」
「うわあ~、サンキューな~、なあ~わるいんだが」
「おう、この間奢って貰ったお礼にやるよ今送るわ」
「ありがとうな!」
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「はい、お疲れ様です~、こんな時間にすいません」
『そうか、まあ~良いんじゃないかそのまま配信しておけ明日出社したら確認するそれからでも遅くないだろ』
「はあ~、分かりましたそうします」
電話を切った主任は、頭をガリガリして、
「GOが出たから、そのまま配信してオーケーだとさ」
「いやいやマジすか、放送事故案件かと思いましたよ~」
「だな~、まあ~尻は持って貰えるんだ。しっかり課長のGOも録音してるしな~」
「うわあ~、流石は主任抜かりないっすね~」
「まあな~」
そういいながらも部下は、主任と同じような微妙な顔をしていた。
【後日談】
その日以降放映された内戦イベントの視聴が、思いもよらず乗せた瞬間に128万回も再生されたのだ。
それぞれ人気クランからの視聴は、なんと言うか三方向からバッチリと彼女達のライブが見れたので、僅か5分で、イカ娘ファンが食い付いてこの回の視聴が、運営の予想外に好評となった。
裏では神回だと言われる伝説のライブと呼ばれ、静かにイカ娘ブームが始まっていた。
この時、そんなことになるとは知らない二人は、自分達の身の安全を守ったのだが、その録音が後々課長と主任達の運命を決定するのだが、また別の話。
「まあ~、なんだか分からんが、上が了承したんならこのまま進めて貰おうか」
「はあ~、そうですね~。何だかこのメンバーは予想の上に行くから、こっちも困るんですよね~」
どうやら運命も困惑させる。癖の強い面々が集まってしまったようだった。
こうしてイカホとイカ娘達の野望が少しずつ達成していくのだった。