リアル戦国無双
先陣を切った三人は、それぞれ独特な歩法で音もなく走り出した。先陣を剣五郎、中堅をセンリ、後方にジジイが追走する。先行陣形と呼ばれる物で剣五郎が止まるまでただひたすらかわすようにモンスターの横を、まるでサッカーのフェイントをするように華麗に抜けて行く。
「ブヒ?」
虚を突かれた隙にセンリの抜刀がオークの首を跳ねる。
その瞬間ジジイが前に出て、同じ虚を突かれた隙をジジイが抜刀してオークの首を跳ねる。
その繰り返しである。
特筆は、剣五郎の強弱着けた移動にオークも翻弄され隙が生まれる。
そこを遠慮なく二人が首を狩る。
まさに屠殺場とかした城門前にて、瞬く間にオークの半数が消え去った。
剣五郎「【闘気】山中流流水閃」
剣五郎の全身から赤い闘気を纒いながら剣閃が渦巻くように半円を描いた。
ジジイ「ほほ~う、【闘気】を纒い技を放てば面白い事になるの!」
ジジイの目がギラギラと子供のように輝く。
「カッカカカカ!?、山中流、風花閃」
自身を一陣の風となるような踏み込みから、花を散らすように連続の斬撃を放つ連続技である。
するとジジイの剣閃から無数の鎌鼬が放たれ、オークが血煙に消えていった。
センリ「・・・・」
センリの美少年の顔に、血なまぐさいニィっと笑みが浮かぶ、山中流の剣は抜刀術が多い、山中鹿之助は槍の名手でもあるが、基本は抜刀術を得意としていたのである。
センリ「・・・山中流、双牙」
有名な話では廁から逃げた話が有名か、昔の便所の中からまさか逃げ出すとは、毛利も思わず。非常識な鹿之助の行動によって驚かさせられたと逸話がある。
その時使っていたのが、狭い場所でも戦える抜刀術であるとも言われていた。
その中で突き、刺しを極限まで極めた連続の二連突きであったのだ。
センリの手にあるのは、刀ではない抜刀に不向きな剣である。
さらに聖剣と魔剣と両極にある幻想武器であった。山中流は六道ほどではないが、西洋武器についても造形が深い。
それは仕えていた秀吉の影響もあったのか、珍しいカトラス、円月刀なども倉にあったりする。
センリはいつの間にか抜いていた二刀をつごう二度づつ交互に四連突きを放つ。
鎧を着ていたオークウォーリア四体の頭に風穴を開ける。
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クリス「うわぁ・・・、あそこに僕っているかな・・・」
本音がポロリと漏れるほどの衝撃的な光景だった。