可哀想な契約獣
アリスのチャットからほどなくカガリさんから、第一騎士団と合流して、副団長から了承を得たと連絡が入った。
カガリさんもリアルハーレム野郎などと不本意な二つ名で呼ばれてるが、伊達に中堅クランマスターをしてる訳ではないようだ。
実に仕事が早い。
レイド慣れしてるプレイヤーが多いので、初心者とメインストリーのキャラクター込みのうちとしては、助かりますね~。
クリスの前にアンビシャス君、僕達は宝石獣を出して自由にさせていた。
『キリキリキリキリ!』
すっかり忘れてたけど、たまに自己主張する神獣の『菊花』であった。
どうも僕の魔力や倒したモンスターの魔力お経験値を吸収して、多少成長してるようである。
もう一匹ネズミがいるのだが、あれから呼んで無かったので、王都に入ってから放してあった。ラットのシャドウ丸は、影から影に移動出来るスキルを持っていて、何処にでも侵入して、偵察出来る特技を持っていたのを思い出していたのだ。
『ちゅうちゅう、ちゅ~う(到着でちゅ~、中継するでちゅ~)』
どうやらシャドウ丸には、契約者と視界を共有する特技まであったらしい、意外と有能なラットである。
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★シャドウ丸視点
『ちゅ~う、ちゅ~う(せっかく契約したのに~、すっかりご主人が忘れてたとは、トホホ・・・)』
小さな鼻をピクピクさせている小さなラットとクリスは誤解しているが、シャドウ丸はすぐに本人的にキリリとした顔を?する。背中の黒い星を誇るようにだ。
これはクリスが悪いのだが、しっかり確認せずに契約したため普通のラットだと勘違いしていたことだ。
シャドウ丸は、闇ネズミと呼ばれるユニーク個体である。その特技の一つが影のある場所や、暗闇の中をまるで水のように泳いで移動出来るユニークスキルを持っていた。
それを知ってれば?もう少し・・・・・。
闘技場や他でも活躍できた筈であったが、そこはクリスである。契約獣も諦めていた。
もう一つのスキルが視野の共有である。生きたライブ配信するカメラがいるようなものであった。
『ちゅ~うちゅうちゅう(ご主人、配信~開始します)』
そんなこと知らないクリスは、
「へえ~、シャドウ丸ってこんな特技があったのか」
感心していた。憐れな契約獣のシャドウ丸が活躍する日も来るかも知れない?。