閑話・エンドアース内戦ゲームネット配信中
『エドアース・海外サーバー内のイベント観戦酒場』
広大な広さを誇る店内の中には、巨大なモニターが設置されている。
主に無料視聴のVTRが流されていた。
『おおお!?、スゲーなぁ~、これこれ殺れ!、そこだ~!?』
今放映されているのは、『聖騎士団』による外壁突破のシーンである。
今回のイベントでも屈指の人気場面である。
躍動感ある一子乱れぬ騎士達。突撃する姿は圧巻である。
ファンタジーの定番ドラゴンを騎竜にしてるのは、全世界探しても『聖騎士団』位である。
相当な課金しなければ騎獣にドラゴンは出ないのだ。
それが、全員下級であるが、ドラゴンを騎獣にしている。はっきり言って異常なほどのこだわりであった。
しかしこうして映像とされると、その凄まじい迫力に外国人プレイヤーは魅了されていた。
昨年、海外のムービーでは、ダイソナ系の映画がヒットしていたこともあり、恐竜とゾンビそして、地球外生命体と戦うアメリカ大統領は根強い人気があった。
『ブラボー!』
しかし巨体を誇る大きな爬虫類こと竜に乗って外壁を破壊する光景に、度肝を抜かれていた。
『おおおお!?』
『かっけえな~!』
『クレイジーだぜ!』
『聖騎士団』全員が、課金に100万以上使い込んでる証拠だからだ。
金持ちはもっと豪華なドラゴンを手にしょうとネット配信会場内にある。
ガチャガチャブースに足早に向かう人もちらほら、
海外サーバーであるため剣よりも狙撃の出来る魔砲師が流行っていて、
小回りの効く、短いロット形の単発式リロード可能な、杖まで開発され販売されていて試し撃ちが可能なブースまであった。
勿論、課金すればVIPルームを借りてゆったりと視聴したり、気に入ったプレイヤー視点のプレイを視聴出来たり出来る。
こうした差別化を日本ではなかなか出来ない事ではあるが、一部のトッププレイヤーまたは、重課金プレイヤーが優遇されるのは海外では当たり前の事である。
『ヒュー、スゲー人だな~』
日本ではまだ100万人行っていないエンドアースも、海外では、早くも500万人を越える人気ゲームの一つとなっていた。
このまま行けば年内に1000万人越える勢いである。その為エンドアース開発会社の株価は、連日ストップ高となっていたりする。
ただこうしたゲーム会社の株価はある日突然値下がりするのでかなりのギャンブルではあるのだが・・・。
ゼーラ『よお~姫さん、リッチまたサンダルが俺の部屋に入り込んでたぞ』
サンダル『キキキキキッ!』
猫の子を摘まむように首根っこ掴み幻獣の一体である。白猿の子供をリッチに投げた。
これに抗議する白猿のサンダルであった。
リッチ『またお前は、ゼーラの所にいたのか、探したんだぞ?』
『・・・・・・キキキキキッ・・・』
契約者のリッチに諭されると言い訳するように頭を下げた。
驚くほどエンドアースのAIは優秀である。特にレア度が高いほど柔軟でサンダルは好奇心旺盛だ。
特に秘密主義者のゼーラの事が気になって仕方ないようだ。
イシル『遅かったじゃないゼーラ』
『悪いな~、おれもリアルじゃそれなりな立場にあるんだ遅れてすまない』
『・・・・そう、仕方ない人ね』
この三人は、エンドアースの開発会社から、抽選でフルダイブを当てたラッキープレイヤーである。
自然とそれを知った三人が、クランを組むのは自然な流れだったのだろうか、
『それでどうする?、まだみてるかい』
『イイエ、見たいものは課金したから後で見ますわ』
『へっ、姫さんがね~、珍しいな~』
リッチ『じゃあ~、船もそれを引く水竜も手にいれたしついに行くんだね』
『ええ、向かいます『聖国』に』
そう三人は海外サーバーでも最高レベルの150を超えていた。
それ以上のレベルアップするにはレア種族の場合種族の進化が必要となっていた。
リッチはバンパイア→ヴァンパイアに
イシルは人魚→セイレーンに
ゼーラはダークエルフ→ブラッドエルフに
その為に『聖国』へ向かうことにしたのだ。
開発会社から見るとこの三人こそ世界で最高のトッププレイヤーであった。
日本のプレイヤーは無論、海外のトップランカーがそれを知るのはまだまだ先の話であった。