緊急レイドクエスト開始2
当初、ジジイさんの洗礼のせいで混乱しそうになったけど、緊張まで何処かにぶっ飛んだようで、ヒタチのキャラクターなのか物怖じせずジジイさんやカガリさんに話しかけていた。
(ああいう切り替えの速さは柔軟と言うか・・・)
人の懐に入るのが上手いと思った。
「さて・・・」
クリスはレイドの申請を各クランマスターに送った。
それぞれ受諾されたの確認して、僕達は緊急レイドに参加した。
『緊急レイド!?、城の城門前に展開している召喚魔方陣を破壊せよ』
緊急クエストを開始しますか?
『yes』『NO』
もう一度、レイドが組まれてるか確認してから、『yes』をタップした。
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突然、一人の怪我を負った兵が走って来る。
兵士「おっ、お前達は増援か!」
鬼気迫る表情から、城門前から来たことが分かる。
「はい!、我々は陛下勅命にて召喚魔方陣の破壊に参戦する異界の民より選ばれた精鋭です」
「おおお!?、真か、直ちに向かってくれ頼んだぞ」
そう言い残し兵士は倒れ付した。
すると急に兵士は粒子になって消えてしまう。
クリス「今のは・・・・」
リンゴ「NPCが、死んだのよ・・・」
「そうですか・・・」
センリ「行くぞクリス」
クリス「そうだね、感傷に浸るのは何時でも出来るか・・・」
ジジイ「クフフフフフフ、その通りよ。ゲームの世界とは言え自分のことよりも緊急を知らせ走るとは見上げた武士よの~」
カガリ「まあ~な、流行らないが、俺は嫌いじゃないぜ」
「抜かすだノシ~、君が一番似たことしてるイカ」
「ちっ、うるさい」
照れ臭そうにそっぽを向いたカガリ、
ザコタ「さてさて、弱き者を助けるのが我々のポリシーだぜ!、ヒャアーハァー!?」
『『『敵を消毒だ~ヒャアーハァー!?』』』
ドブネズミ「罠は任せるでゲス」
クリス「皆さん、ただ敵を倒すだけでなく多くのこの世界に住む民がいきのこれるように!、力を貸して下さい!?」
『『『『『おう!』』』』』
不思議なことに、クリスは微笑していたし、特別なことに言った物でも無いが、
この場にいた誰よりも先ほどのNPC兵士が死んだことを悲しんでる。そう感じさせる笑みだった。
センリ「先陣は任せろ、ジジイ、剣五郎」
「カッカカカカ!、よき武士よな小僧、優しさは戦場には要らんが、ゲームとは言え見事な死を見て滾らぬ者は腑抜けであろ?、先陣で切り開いて見せるわい、小僧お前の役目、分かっておるな?」
素直に頷いたクリスにジジイは戦気を高めて静かに笑った。
剣五郎「俺にはまだ分からないが、先陣は任せとけ」
オバチャン「あらあらお義父さんたら嬉しそうに、セン君まで熱くなって、バフは任せてちょうだいね~」
カガリ「さて、俺はお前のサポートに回るからな、良いよな?」
『『『はあ~い』』』
イカホ「サポートは任せるノシ」
イカ娘『『『イカ!?』』』
イカ娘『いっ、イカ!』
こうしてクリス達は一つにまとまり自然とクリスを魔方陣に送り込むことに誰も異論を挟まなくなっていた。
そう、誰よりもレベルの低いクリスが、いつの間にか中心となって癖の強いプレイヤーをまとめていた。