緊急レイドクエスト開始
《王都・冒険者ギルド中町支店前》
センリ「僕達が最後のようだ。待たせたなクリス」
アリス・リリステ「ヤッホー、クリス君お待たせ~♪」
ルステンテン「どどどどどうもももももも、よよよよ~よよよ、ろろろろろろししししししし、くででででです~」
ピョコンと顔の半分だけ顔を出して、小柄な女の子がアワアワしていた。
アリス「あっ、あはは・・・、ルステンテンちゃんはね~、ちょ~っと。極度の人見知りでね~。あんまりクランハウスからも出ないんだけど~、君のところにケモナーの女の子達が居るでしょ~、この子もケモナーでね~、何だかタイミング悪かったみたいであれだけど・・・、クリス君宜しくね~」
「はあ~、なるほど~です。今回は妹も参加してたんですが、一緒だったら良かったんですけど~、こっちもちょっとタイミング悪かったですね~。うちの助っ人もちょっと人見知りぽいんで・・・」
「あはは・・・(なんか凄い睨まれてるんだけど~)」
二人して、苦笑いするしかないそんな雰囲気だった。
「ヒャアーハァー!?、幼女の守護者よ『明星』を引っ張りだしたのか~、よくやった!?」
『『『ヒャアーハァー、よくやったぜ兄妹!?』』』
ドブネズミ「明星がいるんなら、勝率が高いでゲス!」
「ふう~、だな~、イカホのところとザコタさんところだけだと荷が重かったが・・・、これならなんとかなるだろ」
「あっ、お久しぶりですカガリさん!」
「おう!、元気そうでなによりだ」
にかり朗らかに笑うカガリさん、するとカガリさんのクラメンの女の子達から熱い視線が集まる。
「ん?、あれタイチさんかと思ったら女の子だよね」
リンゴ「あら、タイチのこと知ってるのかしら?」
「あっ、はい、前に野良で組んだので」
「そっか、でも気を付けてね~あの子は闇ギルドの人間だから」
「えっ!、マジすか」
「ええそうよ~、私達も闇ギルドのメンバーだったけど。カガリ様にたすけられて・・・」
顔を真っ赤にする女の子達がもじもじしだした。うん実に分かりやすい。それなのにお金のダンジョンで全く気付かなかったよ・・・。
やや女の子達の反応に疎いと気付いたクリスだが、はっきり言って、どこぞの鈍感な転生者並みに。女の子に鈍感なクリスだったのを、この時ようやく自覚した瞬間だった。
「小僧、お前が六道の者か?」
ギロリ、凄まじい眼光から僅かな殺気がにじみ出ていた。
「あっ、はい!、クリスです。宜しくお願いいたします~」
周りにいた女の子達が顔色を青くするなか、僕を含めたイカホさん、カガリさん、ザコタさんの三人は平然と受け流した。
ヒタチ「おっ、おいヒナタだっ、大丈夫か!」
ヒナタ「・・・・なっ、何とか」
意外とヒタチは顔色こそ青いがヒナタを庇って立っていた。
逆にリオとセオの双子は座り込み。アンビシャス君は獰猛に笑っていた。
ジジイ「ほほ~う、なかなか骨のあるのが揃ってるようだな、試すような真似をして済まぬなカッカカカカ!?」
上機嫌に笑った途端殺気が消え去り、辺りからほっとした空気が流れたが、僕、イカホさん、カガリさん、勿論アンビシャス君は何時でも動けるようにしていた。
「うむ、よいぞ!。しっかり次を考えておるか、良い指導者に学んでおるなクフフフフフフ!?」
「ありがとうございます。僕は目録程度ですが、飛鳥井流の蹴鞠を皆伝まで納めてますので、それなりにですけどおじいちゃんはジジイさんと良い勝負です」
ジジイ「ほほ~う、現代に馬鹿はおるか?」
「ええ~、本家の六道は時代の中で現代の武器に対して合わせ少しずつ変化しながら、土地に根付いています」
ジジイ「クフフフフフフ、そうか、そうか!、そいつは良いこと聞いたぞ」
「それとうちの門下、おじいちゃんや伯父さんもこのゲームに人斬りがいると教えたら、VR導入を検討してるみたいですよ~」
「クフフフフフフ、よいな~、よいぞ!、これは楽しみになった礼を言うぞ小僧、いやクリスよ」
スッと身を整え、軽く一礼する剣客の礼である。どんな時も常中戦陣を体現していた。
おじいちゃんならまず一当てしてから、酒でも飲まんかとか言いいそうである。