ワールドアナウンスが流れた瞬間
クランメンバーがみんなビクッとした。
ベッキー「どうしたのウータン、ヨッシー、ミィー?」
どうやらベッキー以外に大量の問い合わせメールが送られて来たようだ。
クリス「よくよく考えたら、僕はもうメインストリートのメンバーを一人仲間にしてたな~」
ついこの間。海辺の町ランガでお祝いに100万ゴールド渡したこと。今更ながら思い出したのだ。
ベッキー「あっ、お兄、ステータスに称号っての増えたけどこれなに」
サミエル「あら本当に称号が付いてるわね【拳王の盟友】」
セリシア「私のもそうよ」
ウータン「ですです!」
ミィー「おお~物理1、25倍アップは嬉しい、良くやったアンビシャス君」
アンビシャス「あっ、ありがとうございます」
小柄なミィーに腰の辺りを叩かれると顔を赤くして照れていた。
クリス「へえ~そんな称号も・・・」
称号:【ゴーレムの崩し師】
・『ゴーレム攻撃力二倍・レアドロップ率二倍』
【拳王を従えし者】NEW
・『攻撃1/2二倍』
◇称号:『貧民街の英雄』
◇称号:『解放者』
※貧民街の英雄『ダルク』の創始者に与えられた称号
◇『王国劇場・作家見習い』
◇『フェルナンドの友』
◇『料理人ランキング300:★』
クリスはぎょっとして、慌ててサミエル姐さんにチャットを送った。
クリス『姐さん姐さん!、僕の称号ちょっとヤバいです』
サミエル『ん?、どうしたのよ~、そんなに慌てて、 しかもわざわざみんながいるのに、チャット使うなんて』
他のみんながワイワイして、メールの返信に忙しいことが幸いして、クリスのひきつった顔に気付いた者はいなかった。
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一通り話を聞いたサミエルは、
『・・・、なるほどね~、はあ~、それは言えないわ~、そうねクリス君、隠蔽取りなさいBPに余裕はあるかしら』
『はい、今回ので12000あります』
『それならレベル10まで取れるわね。隠蔽はコスト高いけど仕方ないわ』
『そうですね。了解です!』
こうして困った称号を隠す為に。せっかく貯まった12000BP使って【隠蔽10】を手に入れ、そのまま【拳王を従えし者】を隠すことにしたのだった。
これが後に騒乱をもたらせることは、今のクリスもサミエルも考えてもいなかったのだった。
そう、クリス達は知らなかったのだ。王の称号を獲たものだけが知る更なる高みの世界が広がっていることを。
そして王の称号は、最下層の称号でしかないことをプレイヤーは知らない。