クリスと拳王アンビシャス2
アンビシャスが、ワイワイと喧騒に包まれてるキャラバンの元に近付くと、小さな女の子?、エルフの幼女とドワーフの幼女が、何故か体育座りして落ち込むクリスさんを慰めていた。
アンビシャス「一体、この状況は・・・」
謎である。
サミエル「まあ~まあ~、大丈夫だよクリス君、クロエさんに任せときましょう」
「はあ~、もうサインしちゃいましたし。そうですね~」
セリシア「そうよ~、あの人は有能なんでしょ~?」
「確かにそうでした。今さら気落ちしててもしかたないか」
そう、アンビシャスが来る少し前に、ワイゲン支店長クロエの話術の前に、いつの間にかサインをさせられた結果である。
クリス「流石に一時とは言え、10億ゴールドの借金はリアルなら冷や汗ものですよ~」
ヒタチ「そうだよな~」
そこは現代の高校生である。会社の社長でもないので、二人とも一般的な金銭感覚しかないので、ある意味仕方ないことであった。
ヒナタ「それよりクリス君、お客様のようよ」
「ん?」
ウータン「あっ、アンビシャス君だ~、ヤッホーさっきぶり」
ヨッシー「ああ~、良くきたにゃ~」
ミィー「元気?」
あのイベントの時は、ミィーと身長が変わらない少年だったアンビシャス君は、すっかり大人の青年になっていた。
アンビシャス「あっ、はい!、僕元気でした」
ウータンやヨッシーとミィーに囲まれて照れたような笑う姿に、あの頃の面影がかいま見えた。
ベッキー「お兄!、あのイケメンさん。お兄の知り合いだったの?」
「そうだぞ、しかも物凄く強い『拳王』アンビシャスと呼ばれてるほどだ」
「へえええ~、凄いんだね~、おじちゃんがいたら喜びそう」
妹の言葉に確かにと頷いていた。
アンビシャス「クリスさん!、僕は、あの冒険が忘れられずに強くなりました。良かったらクリスさんのクランに入れて下さい!」
『拳王アンビシャスが、クリスタル商会のメンバーになりたそうにしてます』
1『仲間にする』
2『仲間にしない』
クリス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はあ?」
意味が分からなかった。NPCが仲間になるゲームもあるんだけど、アンビシャスは始まりのストーリーの主要キャラクターである。
それが・・・
プレイヤーのクランに入る?、思わずサミエル、セリシア姐さん達を見ると。
ポカーンと惚けた顔をしていた。
ベッキー「お兄!、イケメンがお仲間なんて良いじゃない!」
リアルで今日始めたばかりの妹の言葉にはっとした。まあ~、面白いからいいかと。
これゲームだしね。
1『仲間にする』yes/NO
『yes』をたっぷした。
『拳王アンビシャスが、クリスタル商会のメンバーになりました』
ワールドアナウンスが流れたのだった。