クリスと拳王アンビシャス
しばらくハブられていたクリスは、ややぶっちょう面である。
「お兄~、ふて腐れないの」
「そうですよ~お兄さん」
クロエ「商会長、女の子には色々とあるのです」
自信満々に大人の女性であるクロエに言われるとそうなのかな~?、
妙な説得力があった。
「それで、キャラバン率いて来たようだけど?」
クロエ「はい!、少々商人ギルドからお金を借りましてそれで大量の物資を輸送してまいりました」
「クロエ・・・、それってまさか?」
「はい、商会長の名義ですのでご安心を」
「はぁ~い!?」
聞いてないよ~!。驚愕であった。
「商会長、此方が借り上げた借用書でございます」
『クリスタル商会長クリス殿に10億ゴールドを貸し付ける。商人ギルド』
「10億・・・・・・・・・」
唖然とした。ようやく借金が消えたと思ったのに・・・。
僕だけ違うゲームしてないか?
本気で不安になった。
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某アメリカ
『ギャアハハハハハハハハハ!?、なんだこいつ』
『不幸過ぎる』
『凄い奴かと思えば、お笑い担当も兼ねてるとか』
『あら~ん、お姉さんが慰めてあげたいわ~ん』
と、ごっつい青髭痕の残るマッチョが、バチコンとウインクしてたとか、
だが、運営の思惑とは違ってクリスタル商会の動画配信は人気上位に上がっていた。
目を離すと何が起こるのか、ワクワクさせる所と女の子が沢山いて、可愛らしく、マスターであるクリスが面白いキャラクターとして認識されたためであった。
果たしてクリスにとって良かったのか悪かったのかはさておき・・・
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兵士A「誰だ!」
兵士B「まて、あの方は・・・」
拳王アンビシャスが、何とも言えない顔をして頭を掻いていた。
アンビシャス「あの~クリスさんはいますか?」
兵士A「はっ、ただいまクリスタル商会から、商会長のクリス様が呼ばれまして、彼方のキャラバンにおられます」
アンビシャスは少し驚いた顔をしてから、兵士にお礼を述べてそちらに向かった。
アンビシャス「クリスさんが商会長とか・・・、なかなか会えない訳だ」
聖剣『ふむ、赤熊族の商人だと、聞いたことがないぞ!』
「そうなの?」
『うむ、赤熊族は戦士の一族でな~勇猛果敢な戦士揃いだった筈である!』
「へえ~、でもクリスさんは昔から理知的な人だったよ」
『ほほ~う、それは珍しいな、獣人の多くは脳筋が多いのだがな~』
なんとも酷い言われようだが、確かにクリスのステータスを見ると。
元々知力が低く、魔力が上がりにくく、運の値が低かったのも事実。
基本、脳筋と呼ばれても仕方ないのであった。