会議室の後には、謁見と宴会が付きものですか?
こうして、会議室は和やかに終わった訳だけどさぁ~・・・
「なア~、クリス殿よ~、貴君のクランは、ベルゲンにも拠点があるのであろう?」
「もちろんで、ございますベルゲン閣下」
酒臭い息が吹き掛けられる。
なぜ王様とか、公爵さまに囲まれて酒の席に居るのだろか・・・。
疑問が渦巻くが今さらである。仕方ないじゃないかな~、
これも父さん、伯父さん、じいちゃんや、飛鳥婆ちゃん、門下生が集まる宴会の席に同席することもある。
しかも九州男児の飲み方は半端ではない。
ゲームの中の飲食はリアルに直結しないので、御一緒してるわけですよ。
あっ、ヒナタ、ヒタチの二人は逃げたよ~。僕一人でどうしろと?、
フルダイブは凄い。実際に飲み食いすると深い鮮烈な味が口内にひろがっていた。
「実に旨い。芳醇な味わい、丁寧にした処理された葡萄を何年も寝かせた極上の後味、閣下このワインは名のある職人の作ったものですか?」
「おっ!、貴公、なかなかの舌をしておるな、我がワインナリーで作らせた一品よ。それも15年寝かせた極上品であるぞ」
ベルゲン公爵閣下がご機嫌に答えてくれた。
「そうでしたか、僕の伯父さんがワインナリーを経営しておりますが、特別な拘りの樽を使わなければこれ程の枯れた樹木の味わいは付きません」
「ほほ~う、貴公、分かってるではないか!」
「ふん!、酒など飲めれば良いのだ」
カパカパと、大きな銀のゴブレットに注がせては、水を飲むような勢いで飲んでいた。
「プレハの貴公はもう少し味わって、飲もうとか思わんのか?」
「ふん!、そんなまどろっこしいことできるか、旨い酒が出されたら黙ってのむ干すのが礼儀であろう」
実に、九州男児に似た答えであった。
「それ、うちの父や伯父さんが良く口にしておりますよ~」
「ほほ~う、クリスよお前も行ける口だが父親たちも飲むのか?」
「それはもう、男三人集まって、僕達やおじいちゃんの弟子達が倒れるまで飲み食いするんです」
「ほほ~う、クリスがいけるのは血筋であるか」
と、今度は王様である。
「うちの倅は、生真面目でいかん、もう少しこういった場に顔を出せば良いのだ!」
同じく酒臭い息を吹き掛けられる。
でもご機嫌なので、僕が不況は買っていないと思うよ。
「それでクリスよ。その方に残って貰ったのは幾つかあるが、まずはあれの口止めである。分かっておるな?」
クリス「なんのお話でしょうか?、僕は一介の商人ですよ~、貴族様形に関わる話や、噂等聞いたこともございませんが」
にこやかに微笑み、そう返すと国王もニヤリと笑みを浮かべた。
「聞いたかベルゲンよ、こやつその辺の木っ端貴族より頭が回り依るぞ!、気に入ったその方に準男爵に陞爵させる。いなとは言わんな?」
「はっ、有り難き幸せです」
「ほほ~う、流石は姪のお気に入りであるな、うむ、理解したか、その方には正式な騎士の叙任も与える」
「はっ、僕はあくまでも法衣でございますね。普段は冒険者であり、商人でありますので、ちょっとした噂や人を雇うこともありましょう」
「うむ、期待しておるぞクリスよ」
それから固い話こそ無かったが、色々とめんどいことになったかもしれないな~と思ったクリスだった。