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事件は会議場でも起こります!5




はてさて、クリスが知らないのも仕方ない事だ。

 というかプレイヤーの殆んどは知らないはずである。北にある大陸の情報などそれこそ貴族か、交易商人でもならなければ知るよしもない。


『猛将』サイモス・グリンバーレ将軍


 10万の軍勢で祖国を襲われた時に、僅か1500名で、一月も国境砦を守り、さらに2500名もの兵を一人で討ち取った人物であった。


国王「それはまた・・・」

ベルゲン公爵「運がよいな~」

プレハ公爵「おお~、然りよ!?」


 何故か三名の羨ましげな眼差しを受ける。


ワイゲン公爵「陛下、並び我が国の名誉ある諸君、これらは娘の騎士がなした偉業の前座でしかございませんでした。もうしばらく御拝聴を」


 ニヤリ、不敵に笑っているワイゲン公爵様はノリノリである。


国王「まだ何かあるのか?」

「はっ、連れて参れ!」


 ワイゲン公爵様の合図で、三人の騎士が天幕を潜り椅子に縛り付けられたオークこと第二王子を運んで来たのだ。


国王「・・・・・・・なんとま~」


 さしもの国王陛下も唖然と惚けた顔を晒していた。


プレハ「おいおーい!、こいつマジかよ!?、スゲーなクリス!」


 いきなりプレハ公爵がやってきて、バシバシ背中を叩く、


クリス「ごほごほ、あっ、有り難き幸せ」

「そんなに鯱張るな!、お前のやったことはまさに金星だぜ、これを値千金と言わずしてどうする!?、胸を張りやがれ!」

「はっ、はい!」

「うん、よし!、そんな感じだ、ガハハハハハ!」


 何が楽しいのか、僕には分からないけど。嫌われた訳ではないようだ。


(なんだか、プレハ公爵様って豪快よね~)

(だな~、近所のおっちゃんみたいで、好感が持てるぜ)


 貴族の公爵様相手に、その感想はどうかと思うが、国王陛下、三公はそれなりの人物のようだ。


国王「騎士クリス、褒美は期待せよ」 

「有り難き幸せ」

 

 恭しく一礼したクリスの体は自然と動いていた。


「バローゼよ!、なかなか面白いことになりそうであるな~」

「はっ、この事は、戦争がおわるまで内緒の方が面白いかと」

「しかりしかり!、これは面白くなってきたぞ~」


国王「もはや愚かな弟と妃、それにラチーノ侯爵以下、捕らえた者には期待して良いぞ!?」

『『『はっ、我らの勝利はランベルク王国の為に』』』


 貴族達の目の色が変わった。国王陛下の狙いはこれだったかもしれないね。

 おじいちゃんの部屋にある古い書籍には、昔の戦術書があって、

 人を制すには時に苛烈さも必要であるが、目に見える褒美も必要である。


 クリス達は幸運にも無謀な賭けに勝った者達との認識であろうか、

 なら自分たちならば・・・、そう欲が深い人間ほどそう考えてしまうのだ。


(上手いやり方だな~、まるで飛鳥婆ちゃんみたいだよ~)


 国王陛下に失礼だけど、まだまだ飛鳥婆ちゃんには勝てるイメージが付かないのは、ここだけの話であった。

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