閑話・無言の威圧3
セオこと北条莉央は、姉が何だか珍妙な反応してることに気付いた。
(姉さん?)
男のセオには理解出来なかった。
(・・・ああ~、お礼が言いたいけど。素直に言えないのか)
と、納得した。
(しょうがないな~)
セオ「あの~」
「ん?、どうかした」
セオ「いえ、僕たちを助けだしてくれて、本当に!、ありがとうございました。僕はセオ、あっちは姉のリオです」
「よろしくね~。僕はクリス、あっちは妹のベッキーで、固まってる女の子達が、僕のクランメンバーだよ。他の人たちはそれぞれのクランで、今回のレイドを組んでた知り合いや、エンドアースの友達だよ~」
セオ「・・・・・!?」
セオもそれを聞いて、それぞれのプレイヤーに向かって会釈する。
しかし、クラン世紀末を見てフリーズした。
そんなセオの反応に、世紀末のメンバーを見て、ふに落ちた。
『ちなみに、あんな見た目だけど、お年寄り、子どもを大切にする集団として有名な活動団体だったりする』
クリスの囁きに、目をまん丸にして首が折れるんじゃないかってスピードで振り返り。
セオ「まじですか!?」
クリス「まじです。ちなみにかなり有名だからね~」
セオ「そっ、そうですか・・・」
セオのなんとも言えない顔に、普通はそうなるよな~、妙な達観した顔のクリスを見て、セオも何とか飲み込んでいた。
クリスは忘れていたようだが、クリス達もかなり毒されてきてたのは間違いなかった。
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こうしてリオこと北条莉奈は、仏頂面をしながら歓喜にうちふ震えていた。
(よくやったわ!?)
(・・・よく分からないけど、良かったね姉さん)
こうして、無言の威圧感がリオから消えて、ホッとしたクリスを他所に。
ベッキー含めた少女軍団とヒャアーハァー軍団こと、世紀メンバーが和やかに談笑する姿は、
端から見るとシュール過ぎたのは余談である。
執事「失礼いたします。クリス様、旦那様がお戻りました。すぐにお会いするそうです。申し訳ございませんがクリス様だけ、お越しくださいませ」
「・・・承知しました」
姉さん達、ザコタさん他、皆が頷いたので了承した。
クリス「じゃ、リオさん詳しい話しはまたね~」
リオ「・・・ええ、お待ちしてます」
素っ気ない態度だが、どうやら男の子と話すのに緊張するようだ。
多分、しゃいな人なんだと勝手に誤解しクリスは、執事さんに案内されて、
天幕を後にした。