閑話・無言の威圧2
内心、双子の弟であるリオことゲーム内ではセオのアシストに歓喜していた。
(よっ、ようやく殿方とお話するきっかけが出来ました!)
リオ「ええ、そうなんです・・・・」
(頑張れ私!、さあ~、お礼を言うのよ)
「そっか~、ログアウト出来ない場所があるなんて、知らなかったから・・・、凄く驚いたよ」
ふわりと優しげな風貌のクリスが笑うと。
リオの鼓動が早くなった。
(なっ、なんですのこれは・・・)
クリス「とりあえず。これからも会うと思うからこれ、僕のゲームアドレスね良かったらクエスト一緒にやろうよ」
(フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?)
リオ「・・・分かったわ、宜しく」
表面上、睨み付けるよな眼差しで言うリオは、自分的に無難にクリスとの会話を切り抜けたとおもっていたのは、リオだけだった。
因みに浮かれて忘れていたが、お礼を言い忘れたことに後で気付き、落ち込むのは余談であった。
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《北条莉央》
ゲーム世界はいい、僕たちを襲った。あの悪夢がなかったかのように自由だ・・・。
(ああ~、本当にこの世界はいい・・・、姉さんも自由に歩き、走り周り、心から笑ってくれるから)
二人は、本当に久しぶりに心から自由を。
失ってしまった二人の幸せを楽しんでいたのだ。
そう・・・。
あのパーティーまでは、
まさか・・・。
ゲームの中で、ログアウトが出来ない場所があることを僕たちは知らなかった。
(あの時、僕たちは・・・)
事故のことを思い出させた。
怖かった。ゲームとわかっていても、とても・・・、
とても怖かった。拘束され、牢屋に閉じ込められて、動こうとしても身体が恐怖で動かなかったのだ。
震える姉を抱きしめ、僕たちは恐怖に耐えた。
どうして・・・、
どうして・・・、
僕たちがこんな目に会うのだ。そんな嘆きの呟きを今にも吐き出そうとした時だ。
彼等がきたのは、同じプレイヤーだとすぐに判った。
でも・・・。
初めて見る面々に、僕も姉も目を白黒させていた。
どうやら秘密の抜け道を通って、城に入り込むのに成功したレイドパーティーだと聞いて、安堵した。
彼等が、僕、姉その他三人の人物も助けだし城から脱出できた時は、本当にホッとしたものだ。
そして、レイドパーティーの一人に案内されて、王国軍のやたらと豪華な、天幕に案内された。
クリス君と名乗った彼は、プレイヤーでありながら名誉騎士に叙任されてるらしく、
すぐに皆が休める天幕に案内されて、軽くつまめる物と。順番にログアウトしてトイレや食事を済ませる事が出来てホッとした。