驚愕のワイゲン公爵
━━ワイゲン公爵陣営
全く下らないことで時間を取られたわい。どうにかのらりくらりと会議から抜け出たワシは、
我が精鋭である。騎士団の陣営に到着したのち、手早く着替えた。
家令「旦那様・・・」
手早く入れてくれた紅茶で喉を潤す。
「ふう~。相変わらずわし好みの味わいよの~」
「ありがとうございます。旦那様」
「それで、あの商人達はどうしておるのだ?」
わしの問いに、眉間に皺を寄せて困った顔をしておった。珍しい事だの~。
何やら言い難い様子であったが、意を決めたか、
家令「旦那様、クリス様達が王城に潜入して、第二王子を捕虜にして参りました」
ワイゲン公爵「・・・・・・・・・・はっ、はぁああああああ!?」
あまりの内容に、わしは公爵らしからぬすっとんきょうな叫びを上げていた。
それもそうじゃろ?。
これから王国軍が王都を攻めておる途中なのだぞ?、
ようやく王都に第一騎士団が突入したばかりである。
思わず唾を飲み込んでいた。
我が家の家令は、困惑した顔で頷きおった。
ワイゲン公爵「またか・・・、大金星ではないか!全くあやつは」
ついついそう言ってしまうが顔がにやけそうになる。
良くやった!?、これは早急に会って口裏合わせをせねばならぬな~。
先ほどまでの気だるさ等吹き飛んで行ったワイゲン公爵だった。
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《アンビシャス》
気まずい・・・。
チラチラ、懐かしい顔のあの頃はお兄さん、お姉さん達。
お兄さん達は異界の旅人だそうで、僕たちより長命の種族のようだ。
あの頃より強くなったようだけど、もうお兄さん達お僕が、追い抜いてしまってたなんて・・・。
なんだか不可思議な気持ちになった。
でも・・・・。
『また、助けられてしまったな~』
神剣『相変わらずうだうだしておるの~』
『うっ・・・、だってさ』
神剣『まあ~、うかつじゃったのは確かだの~。じゃが、そのお陰でお主の憧れだった熊の青年と出会えたのではないか』
『そうだけどさ・・・』
拳王の『称号』を与えられた青年とは思えない気弱さである。
その辺りは子供のころとあまり変わってないようだ。
ヴァリス・エンデバー「ちょっといつまで客を待たせるつもりかしら?いくら公爵様でも失礼じゃないかしら?わたくしこう見えてこの国の宮廷魔導師ですのよ~」
傲岸不遜な態度、さっきからやたらと、イライラしてるのが『賢王』の称号持ちの天災ヴァリス・エンデバー女史19らしい
まさか自分がら一服盛られて、囚われの身になっていたことがよっぽど屈辱だったのか、ずっとこんな調子である。
サミエル「へえ~、流石は『剣王』でありながら『鍛冶王』よね~、そんな方法があったんだ~♪」
サミエル姐さんと『剣王』クライブ老の会話は、職人ならではでの意味が分からない域であった。
クライブ「ホホホホホホ♪いや~お前さん見た目は幼女じゃがなかなかの腕ではないか!良ければわしの工房に招待しよう!」
「本当!助かるわ~。みんなの防具もぼちぼち新しくしたいと思ってたのよ~」
あそこだけ平和である。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
僕の前にいる見知らぬプレイヤーは、僕の前から離れないのだろうか?
嫌なら離れれば良いのに、
ザコタ「ひゃあ~はぁ~、こいつは最高の果物だぜ!お前ら子供達にお土産だな」
『『『ひゃあ~はぁ~!?』』』
ドブネズミ『ゲスゲス♪』
センリ
「・・・・・・・・・クリス」
センリ君はセンリ君で僕の隣に座っているし、それでいてなんも喋らないから!僕にどうしろと?
アリス・リリステ「おお~!マスターが、うちのマスターに!友達が出来たー!?」
オバチャン「あらあら、セン君うれしそうね~、ウフフフフ♪」
イカホ「混沌としてるノシ」
イカ娘『『『イカ!?』』』
イカ娘「いっ、イカ?」
なんかこゆくない?、僕にどうにか出来るのだろうか、
自信喪失気味のクリスの苦難は、これからであった。