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闘技場の地下に追い詰められし者達




《闘技場・地下》




【闇ギルド・スカーレットニードル】



 王都に巣食う闇ギルドの一角を勤め、要人の暗殺、誘拐を専門にしていた。


 今回の反乱では貴族のご令嬢、ご令息の誘拐、王族の暗殺、公爵家の当主暗殺まで請け負っていた。


 しかし蓋を開けてみれば、予想外の連続が続き、幹部一人残してほぼ全滅の憂き目にあっていた。

 闇ギルドは、舐められたら終わりである。


 最早『スカーレットニードル』に明日はない。

 異界の旅人にまで見放され。風前の灯火であった。


スカーレット「ちっ、王弟に付いたのは失敗だったかしらね~」

ソーニャン「ですよにゃ~、だからあーしは嫌な予感する言ってたにゃ~」

スカーレット「・・・ちっ、確かにね。はあ~」


 部下も最盛期は500もいたのに今や、残り20もいない・・・。

 こんな隠れる事なんてしたくもないが、王国軍に厄介な相手がいて貧民街が敵地になるなんて考えもしなかったのだ。


盗賊「お頭・・・、敵です」

スカーレット「なんだって?」

ソーニャン「にゃにゃにゃれ!?、もう、終わりにゃ~」


 項垂れるソーニャンを見てると悲しくなってきた。


元々『スカーレットニードル』は、ワイゲンにあったギャングファミリー。

 《悪魔デビルスコーピオン》から枝分かれした組織であった。


 王都は広く、また【闇ギルド】の派閥争いは厳しい中、どうにか中堅どころに収まっていたのだが・・・、


スカーレット「焼きが回ったね・・・、このまま殺されるくらいなら少しでも交渉してみるか」

ソーニャン「お頭・・・」

スカーレット「なんだい!、情けない顔して、これでもわたしゃお前達のお頭だからね~」


 不敵に笑ったスカーレットは、一人で堂々と闇市があった大通りの真ん中に立ってこれから来る運命と対峙することにした。








☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆





 僕とミィー、セリシア姐さん、ヒタチ、ヒナタペアー、ザコタさんパーティーの六人だ。


スカーレット「まさか本当にこんなとこにまでまた来る冒険者がいるはね~。あたしらも焼きが回ったね~」


クリス「【闇ギルド】の幹部さんですね」


スカーレット「・・・まあ~『スカーレットニードル』頭のスカーレットだよ」


ザコタ「ふむ、隠れてる者もいるようだが、殺るのか?」


 ザコタさんの殺伐とした物言いは、何だか違和感が、本当なら普通なのに普段好い人過ぎると何だか変だ。


スカーレット「もう、そんなつもりもないさ。『スカーレットニードル』はここにいる者だけになっちまったからねぇ」


 苦笑いした。スカーレットはきつめの顔立ちだが、美人の範疇に入るかな、殺伐としたすれた雰囲気を持っていた。


ザコタ「そうか、投降するなら、こちらは暴力を振るわないことを我がクラン『世紀末』の名前において誓おう」


『『『俺たちは弱者の味方だぜ!、ヒャ~ハァ~!』』』


スカーレット「そっ、そうなのかい?」


 なんだか不安そうに僕を見た。その気持ちはよく分かりますよ~の。


クリス「同じく『クリスタル商会』と『ダルク』の創設者として誓います」


 クリスの宣言に、スカーレットソーニャンは勿論、何故か、ザコタさん達まで、驚いた声を上げた。


『『『『『『ダルクの創始者だって!?』』』』』』


スカーレット「そうとは知らず申し訳ありませんでした!『ダルク』とは絶対に敵対しません!どうか、どうか部下の命ばかりはお助けください!」


ソーニャン「お願いにゃ~、頭を助けて下さいにゃ~」


 出てきた20ばかりの闇ギルドの構成員はみんな女の子、子供だった。そんな年端もいかない女の子がみんな土下座してきたのだ。クリスは勿論みんな戸惑っていた。




 もっとも渦中の人、クリスが一番戸惑っていたのは仕方ないことでもあった。



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