英雄と貧民達
『四つのクランが、王都・貧民街に潜入することが出来ました。最初に潜入した四つのクランメンバー全員にBP500をイベント後に付与いたします』
ワールドアナウンスが流れた。
アースレイダー『おお~、幸先いいな~、これは外壁早く開けないと、他のプレイヤーに恨まれるぞ~』
マーゼス『面倒だが急ぐぞイカホ』
イカホ『のし、イカ』
イカ娘『『『のし、イカ』』』
イカ娘『ノノノノのし、イカです~』
11人に増えたイカ娘達と(鋼)のメンバーが外壁に向かって移動を開始する。
センリ『・・・クリスは?』
クリス『僕は、ギルドの解放をしてきます。そうすれば・・・』
ザコタ『それは良いね~、なら俺たちが付き合うよ』
『『『ひゃ~はぁ~!?、任せとけ』』』
センリ『・・・そう、そっちも面白そう、だけど・・・、僕等は、第二騎士団を狙うよ』
濃密な殺気がセンリ、ジジイ他、似た空気の二人からも流れた。
クリス『そっか、どっちが早く仕事終えるか競争だね~』
センリ『・・・!?、がっ、頑張る』
クリス『お互いにね~』
この時のクリスは、たわいもない会話だと思っていた。しかし武人からしたら競いあうことの申し込みである。センリからしたら新しい友達から武人の競い合いを申し込まれ、意気込んでいる状況で、
ジジイ『カッカカカカカ、センリに向かって平然と競争とか抜かしよったぞ、小僧、お主面白い男じゃのう~』
ジジイが破顔するのも仕方ないことだった。
クリス『はあ~、じいちゃんとばあちゃんのクントウが、メチャクチャキツいので』
ジジイ『カカカカ!、なるほどの~、お主のような変わった孫を持ってるなら、その祖父も中々のご仁であろう』
クリス『あっ、じいちゃんとばあちゃんにセンリ君のこと話したら、うちの本家にある道場でも
VR導入するか話し合いされてました。もしかするとですが・・・』
ジジイ『ほほ~う、小僧の祖父は道場をやっておるのか?』
クリス『はい、六道のですね。僕は目録程度ですが一通りは、あっ飛鳥井流の蹴鞠だけ皆伝ですけどね~』
ジジイ『なんとま~、六道とは珍しい物がまだ残っておるのか』
感心したジジイに、
クリス『あなた方、人斬りの生きざまも伝わってますよ』
ジジイ『カカカカ、実に愉快じゃ!、まさか御同輩がまだおったとはな~、良かったのう~センリ』
センリ『・・・・うん』
人斬りにとって、自分たちの存在を知ってもなお平然としてるクリスやその祖父は希少な存在であったのだ。
最も偶然が、たまたまよい方向に向いたとも言えたが、




