レベルが上がってた
「あれ…………、僕………?」
ハッとした。辺りを見回すと。何も居なかった。暫く焦っていたが、よくよく自分が何をしてたか思い出した。
「…………おっ、終ったんだ…………、よっ、よかった………………。あっ、そうだステータス確認しなきゃ、でも……その前に。インベントリーを片付けなきゃ駄目だな、多分ごみだらけだろうし………」
「いったい……どんだけ倒せばこんな量になるんだよ」
嫌な冷や汗掻きながら、呆れたように呟く。このクエストは無いわ~とか思いながら、自分の甘さを呪った。
・棄てた投げやすそうな石ころ×1030、
・石ころ×661、
・岩×112の山が幾つか出来ていた。
「………意識も朦朧とするよな、ある意味単純作業をずっとしてたんだから、よし!忘れよう………。ステータスは………、おっ、かなり上がったな」
レベルが5つ上もがってた。ただ記憶が抜けるほどの苦行したわりには、正直な所。微妙な気がするのは、気のせいかな?
クリス
職業見習い漁師
レベル13→18
HP117→127
MP19→24
攻撃力119→129+15
防御力72→82
+20
素早さ105→115
瞬発力63→73
+5
魔法防御63→73+5
知力19→24
幸5
戦闘スキル
大剣レベル2→3
(縦斬り、薙ぎ払い、パワースラッシュ)
体術レベル2→3
(打撃、蹴り、体当たり)
称号ゴーレムの破壊者
単独で、ゴーレムを1000以上倒した者に与えられる称号である。
※ゴーレムレアドロップ率二倍、
※ゴーレム攻撃力二倍
「称号だ!、しかもゴーレム関連でか、ん~微妙かな?」
よくわからん。
「あっ、時間がヤバイな」
プレイ時間を見るとリアルで四時間過ぎてた。
「疲れたし。帰ろう……」
慌てて炭坑から出ると。ベルゲンの町に戻り。転移の門で始まりの街に。アパートに戻る。
うにゃ~ん♪
「ミズリー」
珍しいことに。部屋に入るなり宝石獣になって、甘えてきた。
「しょうがないな~」
「きゅぷ、きゅぷ!」
「あれ………テツコ、いたのか忘れてたぞ」
「きゅぷきゅぷ!」
まるで私のこと忘れてたでしょ!、ぷりぷり怒った時のベッキーのような空気が流れ出た。思わずため息が出た。
「あれ………、なんでテツコ居なかったんだろ?」
その時は疑問だけだった。
後で、その理由を知った。
相棒は転移の門を使った時。
一旦。プレイヤーの拠点に戻されるらしい。
それで分かったのは、相棒を拠点の街から連れてくには、次の町まで連れていき、冒険者ギルドに登録すると。次からは転移の門で連れていけるそうだ、因みにギルドならどこでも相棒登録は可能であった。
その他に相棒を連れて歩きたくないと言う人には、相棒召喚を使えばいいらしい。
ただし相棒召喚には、鍵アイテムが必要である。無論鍵アイテムは、課金アイテムだ!、よし諦めよう。
「きゅ~ぷ……………」
がーんとでも言いたそうなテツコ、だけどさ僕は学生だよ。数百円でも学生に課金はね……。
リアルでも色々使うし。節約しないと夏休みが大変だし………。
あっ待てよもしかして……、
「今度のオークション&ダンジョンイベントって、お金ってテーマがある。もしかして無課金プレイヤー救済イベントかな?」
可能性はないか?、運営も売り上げは必要だしね。ただお金のダンジョンってのは気になるね、課金でしか出ないアイテムも、オークションに出るかな?、
例えば゛古ぼけた゛とかの中古品ならありかな、
「あっ、母さんからメールだ」
僕はミズリーをやさしく撫でながら、母さんのメールを読む。
「ミズリーまたね」
うにゃ~ん♪
可愛いミズリーを撫でて、少しゲンナリした気分もだいぶ落ち着いていた。
急いでご飯に向かわないと後が怖い。