お嬢様と見る『拳王杯』予選会
《貴賓室》
流石は王家に繋がる公爵家の貴賓室だ。
豪華ではあるが下品ではなく、荘厳であるが、かたっくるしくない居心地のよい空間。
お金を賭けても居づらい空間ではない、実に素晴らしいと思った。
レティ「ようこそクリス様、ワイゲン公爵家の貴賓室へ」
艶やか、いつもはちょっと気の強さが全面に出ていたレティだが、ドレスを着てるせいか、何処から見てもお嬢様であった。
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レディ・メーカー『本日の頂上決戦は、拳王杯・予選会となります!』
昨日配信も見てなかったが、
クリス「うわぁ~、痴女がいる!」
今にもこぼれそうな巨乳をチューブトップだけで上半身はだけているし、一応シースルーの上着を羽織ってるけど意味を成してないせいか、野郎の歓声が凄まじいことになっていた。
ハナ「ええ、ええ、そうでございますクリス様、あっ、あんなハレンチな衣装を纒い人前にで、でるなど」
レティ「はあ~、まあ~、ハナの気持ちは分かるけどさ、これはある意味仕方ないわよ。闘技場のみ許された試技で、あの衣装は舞台アナウンサーと呼ばれる職業だからよ。いくらあの豊かな胸が羨ましいからとか、自分の無さを文句言っても仕方ないわ」
ハナ「ぐぬぬぬぬ!」
あっ、ゲームとはいえリアルに近いゲームの世界で
ぐぬぬが、間近で聞けるとはね。
サニア「ウフフ相変わらずね~、レティもそれがなければ直ぐに結婚できるのに」
レティ「あらお嬢様!、お嬢様だってあのバカ王子に求婚されてたじゃ無いですか」
サニア「えっ、あっあれは‥‥‥」
レティ「でも旦那様の尽力で無事に断れたとか伺いました」
チラリ、サニアお嬢様が此方を伺うと、小さく咳払いして、
サニア「うちには有望な、御用商人がおりますもの!」
胸を張ってどや顔でそうのべた。
レディ・メーカー『第一グループ舞台に上がって下さい。ルールは2つ、舞台から落ちないこと、残り二名まで残れば第一予選突破となります。用意はいいですか~!、開始!』
『『『『ウオオオオ!、ハアアアア』』』』
『死ね!』
『おら!、落ちやがれ』
ハナ「うわぁ~、酷い」
レティ「何時ものことですわ!、本選シードにはクリス様も出場なさるとかお嬢様から聞きました、僅かですが、クリス様に賭けさせて頂きましたの、頑張って下さいね♪」
ハナ「ああ~!、レティだけズ~ル~イ~」
サニア「あらあら、カール私とハナの分をクリス様に賭けて来てくださるかしら?」
騎士カール「ハッ、お任せを」
何だか嬉しそうにカールさんが、足早に出ていく。
レティ「あら良かったわね」
ハナ「お嬢様、ありがとうございます!」
サニア「フフフ、構いませんわ、ハナは頑張っていますもの」
NPCとはいえ女の子三人の中に居ると華やかだ。
クリス「おや、第一グループは混戦になりそうですね」
レティ「あら、本当に、こうなると私はちょっと‥‥‥‥」
そらね。血湧き肉踊る。うん僕もスポーツでのボクシング、格闘技とか見るけど、15Rの限定解除したせいか、ちょっと引くかな‥‥‥‥。
こうして久しぶりの闘技場は、クリスに精神的ダメージとサニアお嬢様達と過ごす楽しい時間を同時に味わうことになった。