誰もいない夏休み
ザアザア、パタパタ、カタカタカタカタ、
なんだか騒がしい音が、遠くで聞こえて来て、やけに気になった。
栗栖「ん~、やけに外が煩いな‥‥‥‥‥」
ゴオオオ! カタカタカタカタ、
栗栖「ん! あれ雨にしては」
慌ててスマホ手に、ニュースサイト開いた。
『現在、九州地方に台風7号が上陸しました。瞬間風力38m、雨脚が強く━━』
栗栖「ああ~、台風来てたの忘れてた」
この分だと今日も帰って来ないだろうな、
そうなると1日一人だ、
栗栖「シャワー浴びてくるか‥‥」
スマホ見るとまだ五時半である。
もう少し惰眠を享受したかったが、すっかり目が覚めてしまった。
下に降りた。台風のせいか、窓の外は暗く庭のキンモクセイが折れそうなほどしなっていた。
栗栖「ああ~、物干し竿下ろしとくか‥‥‥」
庭に出るだけでびしょびしょになりそうである。まあ~幸いなことに。
シャワーを浴びる予定だったことと、着替えも用意してあること、
栗栖「自転車と、駐車場の荷物も見とかないと」
何せ駐車場には植木鉢がいくつかあった。飛ばされたら大変である。
これから風も雨も強くなる。嫌だけど仕方ないことだ。
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栗栖「ああ~、ひどい目にあった~」
お陰さまで酷くなる前に植木鉢を家にしまい、工具なんかも入れて、物置小屋なんか動かなくなるようにしたし、物干し竿も飛ばないよう地面に置いて、重石で固定したさ。
母さんにもメールしたらありがとうだとさ、無視してお小遣い減らされるよりも今からお年玉に向けて、好感度上げとくのは効果的だろ?
シャワー浴びてさっぱりした。夏でも雨に濡れると肌寒さを感じる。
栗栖「野菜餡掛け豚骨ラーメンかな~」
チャンポンもいいが、僕は揚げた麺が苦手だ。
栗栖「煮卵は、二個だな」
おでんでも卵は二個か三個は食べてる。
栗栖「冷やしおでんもいいかな~」
家の夏の定番で、冷やし鍋と冷やしおでんをやるのだが、暑い日には冷たいうどんが閉めに最高だ。
氷で締めたきしめんに崩した卵、大根、冷やしたおでんの汁をかけて食べる。
栗栖「ベッキーは熱々派だしね~」
信じられないことに、真夏でもだよ? 母さんと熱々のおでん豚骨ラーメンを。信じられないことに、海の家で食べてたよ。
僕と父さんは微妙な気持ちで冷めた焼きそばを食べたよ。
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