閑話・予選会ネット配信『剣王杯』
《王都・闘技場》
その日、王都からほとんどの民が、外町にある闘技場とその周辺に集まっていた。
ゴンサク『んでわ、始めるなんす』
【『剣王杯』配信】
ゴンサク『おらはゴンサク、王都に着いたばかりの冒険者だす』
運営が配信する映像のほとんどはNPCの冒険者が、運営の下請けと言う位置付けで配信していて、
有料になるが、闘技場に入れないプレイヤーが、観てる事が多かったりする。
また海外のプレイヤーも増えたので、海外版とは違う国の様子、観たことないモンスター、魔物、魔獣の討伐映像は人気である。
海外版でも同じイベントやってる筈だから、AIユーチューバーが誕生するのも仕方ないことだ。
ゴンサク『んだば、此処が闘技場の外の広場でなす。北側を赤の広場、南側を青の広場といいなす』
ゴンサク『おら達市民は、青の広場からでしか入場できないんでな~、覚えとくがええど』
ちなみに赤は勝者、青はチャレンジャーと遥か昔から定められていて。
赤の広場から、コロシアムに入れるのは貴族階級、王族だけだ。
ゴンサク『赤の広場と違って、青の広場は毎日屋台が通りに並ぶんなす、んでも今回はすげーど。見たこともないんほど、たーくさん屋台がずらずらならんだべ』
闘技場に入るにも一苦労である。また闘技場の中にも飲食店はあるが、割高なため、市民は屋台で酒、つまみを大量に買って持ち込むのが一般的である。
これが相棒の島のコロシアムだと別の島に移動とかするため、外の屋台も割高になる。
ゴンサク『お勧めは、異界の民がやってる屋台だな~、あじよし、量よし、値段も手頃、めんずらしい海の魚の塩焼き、魔獣のお肉が安かったりとおら達には助かるんだべ~』
ゴンサク『ようやく、おらの番だべさ』
王都に住民登録されてる市民は闘技場の入場料1500ゴールドで済むが、冒険者になると三倍、異界の民だと十倍になる。
これは他所の国の民扱いだからになる。
ただ冒険者ギルドに登録すれば三倍に、騎士団に入ったりすると市民と同じ扱いになる。
ただ大会に出場する為には、100万ゴールドが必要になり、地元の冒険者はランク毎に安くなる恩恵が与えられていた。
しかし賞品に特殊な称号が与えられるため、今回の大会では、参加者するにも。
最低でも50万ゴールドが必要となる特別な大会であった。
ゴンサク『ここが、フリーな席だべ』
フリーな席はほとんど土で固めた席に、麻のゴザを
敷いて、自分の席にする。
もう少しお金に余裕があれば椅子付きのチケットを買うのが一般的である。
ゴンサク『どうにか配信員だから、撮影席に座れるだな感謝たべ』
こうした配信員NPCもランキング方式が採用され公式サイトでランキングが見れたりする。