『熊の物語』プロト、見習い女優の片鱗
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クランハウスにある自分の部屋から、空腹バーが赤い事に気付き、食堂に向かった。
《食堂》
マップを見ても誰もクランハウスにはいないようだ。安定のソロである。
クリス「レイナ、おはよ~」
レイナ「あっ! クリス様おはようございます」
配膳していたメイドの顔を見たら見習い女優のレイナだった。
クリス「おはよ~レイナ、今日例のプロトが『王国劇場』で行われる。大丈夫なら、この後だが」
レイナ「!? だっ大丈夫です、クリス様。むふ~」
鼻息荒く上気した顔は、クランハウスに来る前に比べて、随分とふっくらしてきたようで、年相応の下町の看板娘くらいには、見れるようになったようだ。
ただレイナの眼差しは、あの『ダルク』のリーダー、ジャンヌに通ずる何か、人間の根底にある何かの強い思いが、目に現れ、クリスですらはっと見惚れるような意志が宿ってるように感じたのだ。
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《職人工房》
親方「いらっしやい」
クリス「どうも始めまして、僕はクリスタル商会長のクリスです」
親方「クリスタル商会?」
ワイゲン公爵家の御用商人証を見せる。
親方「こっ、これはこれは‥‥‥」
クリス「実はゴジンには伝えてあるんですが━━━━」
今、『王国劇場』で、作家として応募しており、一次審査を通ったことで、二次審査では、
プロト公演を劇場でやることになったこと。
ゴジンには大道具として仕事を頼んでいたと伝え50000ゴールドを前金として親方に渡した。
親方「へい! お任せ下さい、ゴジン、ゴジン!」
ゴジン『なんでさ~、親方!』
親方「特急の仕事だ!」
ゴジン「分かりました! あっクリス様、レイナ」
レイナ「ゴジン~、宜しくね♪」
ゴジン「おっ、おう、任せとけ!」
こうして二人をチャーターした馬車に乗せて、先に『王国劇場』に連れて行った。
ゴジンに『小道具』を渡し。レイナに『レッサー白黒パンダ』の着ぐるみを衣装として渡して、劇場内にある。
控え室に置いて来た。
クリス「次は、子爵様をお迎えしなきゃね」
イベントが始まり3日目、今日で7月も終わりで、予選も間もなく始まろうとしている。
(運が良いのか‥‥‥)
ありがたい事に家に誰もいないからできる贅沢。
五美、ベッキーからは文句言われたけどね~、
今日の手伝いは、正直なところ予想外だったからな~。
後日。ターニャ、ドミニクが来たとき、散財されられそうでちょっと怖いかな、
《貴族街・ヘルナンド子爵家》
N・執事「ようこそクリス様、子爵様がお待ちです」
どうやらフェルナンド・フォン・ヘリオス子爵様は、待ち構えていたようだ。
フェルナンド「ようやく来たね。お望みの作曲は出来たよ」
満面の笑顔であった。
クリス「ご存じだと思いますが、僕が用意したプロトの舞台、見に来ませんか?」
フェルナンド「喜んで伺うよ!」
舞台は整った。後は見習い女優レイナにかかっていた。
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《劇場舞台》
クリスとフェルナンド子爵が『王国劇場』に到着する頃。
続々と二次審査に挑む他の作家が集まっていた。