王国劇場の団長ハートレイ2
《劇場・舞台中央》
ハートレイ『うむうむ、ようやく二次選考である。実に楽しみである』
支配人から、衝撃の事実を打ち明けられて驚き焦り、慌ておる。
ハートレイ『うむうむ、だがのこの程度で慌てるなどたかがしれておるわ』
支配人『では、一番クリス様から此方に』
ようやくかね。最初に呼ばれるのは一番緊張すろものだ、果たしてどうかの?
ハートレイ『ようこそ我が劇場へ、では早速君の作品を見せてくれたまえ』
最初に獣人族の青年か、
ハートレイ『ふむふむ、非常に珍しい事だ』
獣人族は、思量に欠ける人種が多いのだが、しかも熊の獣人である。
クリス「失礼します。僕はクリス、クリスタル商会のクランマスターです」
ほほ~う、クランマスターとは、彼は異界の民か、普通の獣人とは違うのかもの~。
クリス「お願いいたします」
ハートレイ『熊の物語?、聞いた事がない題材である』
支配人『失礼致します。此方が第一選考の我々の判定でございます』
ハートレイ『ご苦労である』
恭しく下がる支配人におうように頷いて感謝を伝える。
まずは、みなの評価であるが‥‥‥‥‥‥
ハートレイ『(一人抜けておるわ、ほほ~う、目の前の青年が持ち込んだ作品か、実に楽しみである)』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
目の前に見た目からコミカルな人物が団長らしい。最後の最後に、濃いのが来たな~、僕は笑わないようにするのに必死である。
ハートレイ「ふむふむでは、見せて貰うよ」
『熊の物語』の本を読み出した。
ハートレイ『こっ、これは‥‥‥、なんと斬新でいて、奥の深い作品だろうか』
どうやら好評だ。
ハートレイ『ならば後はこの青年の資質が知りたい』
ハートレイ「一つ聞きたい。もしこの作品のプロトが、見たいと僕が言ったら君はどんな演出をするのかね?」
(やはり言われたね)
クリスの通う学校は進学校である。
すでに卒業頃に行われる面接について、学校サイトで、早めな見て慣れること教えてくれるのだ。
もっともうちの生徒なら、卒業してからでも、見るOBは、多いらしいくらい社会で役にたつアプリとか多いらしい。
クリス「実は、音楽家の大家ヘリオス子爵様に作曲をお願いしまして、大道具の職人、見習い女優も雇い衣装も用意してあります」
ハートレイ「なっ!?」
さすがに驚くハートレイは、
ハートレイ「ちょっと待ってくれたまえ、それでは君は!?、そこまで用意周到に‥‥‥‥‥‥」
これは正直参った。これは役者が違った。
ハートレイ「四日後、プロトを見せてくれたまえクリス殿」
やはりと言うかクエスト通りというか、色々準備しといて良かったようだ。