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閑話・我輩は猫である




 みゃあ~、みゃあ~


(お腹すいた。喉乾いた)


みゃあ~、みゃあ~。


(ママー、ママー)


みゃあ~、みゃあ~。


(暑い、暑いよ)


 我輩は猫である。兄妹と共に袋と言うものに入れられ捨てられたようだ。


なぜ我輩にはこのような意識があるのだろうか?。


 実に不思議な事だ。


みゃあ~。みゃあ~‥‥‥‥。


(あぁ~、我輩達はこのまま死ぬのであろうか‥‥‥‥)


みゃあ~、みゃあ~。


(暑い、暑いよ‥‥‥)


この暗闇の世界は、息苦しいくて、とても不快だ。


 一度でいい、外の空気が、匂いを嗅いで見たかった‥‥。


みぃ、みぃ~


(ああ~、助けて)


『今行くよ』


 みぃ、みぃみぃ。


(何だろう、優しい声が聞こえた気がした)


 みぃ、みぃみぃ。


(我輩は、我輩達はここだ!)


『まさか‥‥‥‥』


慌てたような声音。がさごそここだよ。我輩達はここにいるよ。


 みぃ!


(ああ~、埃臭い)


 それでも顔を、全身を、優しい風が撫でてくれた。


「「「みぃ、みぃみい!」」」


『大丈夫、僕がいるよ!』


 みぃみぃ、みぃみぃ。


(我輩達は、その優しい声音を聞いてありがとう、ありがとうと鳴いた)


 それから我輩達は、いい匂いのメスに連れられて、臭い匂いのする場所に連れてかれた。


『大丈夫よ、元気になってね。元気になったら家の子供になりなさい』


 優しく撫でられ、我輩達は鳴いた。


 みぃ、みぃみぃ、みぃみぃ。


(元気になったらもっと撫でてくれるかな??、あの優しい声のオスは‥‥‥)


『あらあら、ウフフ寝ちゃたわね』


『方城さぁ~ん、此方にどうぞ~』


『はぁ~い』


 それは小さな出会いであった。


 もう少し先に小さなイタズラ好きの子猫達は、救い主である少年と再会を果たす。


 それは夏の終わりになるだろうが‥‥‥‥‥。




 みゃにあ~ん!


 にゃお~ん!


 にゃにゃ♪


『早く、遊びたいな‥‥‥‥‥』




《一月後‥‥‥方城家》



栗栖「痛!、ちょっとエース、僕の背でずっこけないでよ‥‥」


「にゃ、にゃお~ん」


栗栖「あっ、今の誤魔化た鳴き声だよね~?」


「にゃ、にゃにゃにゃお~ん」


栗栖「また誤魔化して、ラブリンにしつけて貰わないと」


「にゃにゃ‥‥」


 焦ったような鳴き声。


栗栖「はあ~、お前は何となく僕の言ってること理解してる気がするよ」


「にゃおにゃおい!」


栗栖「今の絶対、そんなことありませんとかいいながら目を背ける奴だよね~」


「にゃ、にゃははは」


栗栖「ほら、笑って誤魔化してる。エースは猫又なのかもね」



 三匹の子猫と主人の少年の物語は始まったり、はじまらなかったりした。




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