表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
555/1032

音楽家ヘリオス子爵2



ファルナンド『(ふむ、礼儀作法はいまいちだが、異界の民とは随分と礼儀は弁えているようだ)』


(おお~、テロップがあるからまだいいが、感触は悪く無さげ~)


クリス「早速で恐縮ですが、風の噂で、あのヘリオス家の天才が、新しい音楽に悩んでると聞き及び、もしもほんの一滴でもヘリオス様ほどの天才の気を引ければと‥‥‥‥」


フェルナンド「フフフ、なるほどね(ほほ~う、よく調べてるではないか!、しかも口上も悪い物ではないな)。良かろう見てやろう」


クリス「ははあ~」


 恭しく一礼したクリスの顔に笑みが浮かぶ。


インベントリー160から『熊の物語』を出してヘリオス子爵に渡した。





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




『(うむ、動物だけの、いや熊だけの物語か‥‥斬新ではある)』



《熊の物語》


主役『レッサー白黒パンダ』


(動物を主役にした物語は今までなかったが、着眼点が実に面白い)


レオナルド『僕はレッサー白黒パンダのレオナルド、森の外れに住んでいる』


(主役の他に三匹の熊が出るが)


意地悪『白熊』ベイズ

凶悪『黒熊』ディゴス

詐欺『パンダ』ヤルン


(グヌヌヌなんと凶悪な熊達であろうか)


いつの間にかフェルナンドは健気なレッサーパンダのレオナルドに感情移入していった。


 レオナルドは底抜けのお人好しであるが、本当の幸せを知るパンダだった。


三匹は、ただのレッサーパンダのレオナルドが、自分達より劣るものと蔑んでいたのだが、


 中盤では、ただでかいだけの黒熊、足の臭い白熊、腋臭のパンダが織り成す。コメディーとなり暗い気持ちが明るくなっていて何時しかフェルナンドの顔にも笑みが広がって、時折クスクス笑っていた。


 その様子に驚き、執事、護衛の兵士、はたまたメイドまで集まり。何時しか楽しげな笑い声が漏れ聞こえていた。


 終盤になると、森に火事が起こり、森の動物が逃げ惑う中、嫌われ三匹をレッサーパンダのレオナルドが、あの手この手と機転を利かせ三匹を助けて見せた。


 最後は三匹が改心して、レッサーパンダと仲直りするヒューマニズム溢れた動物物語だった。


フェルナンド『(これは素晴らしい作品だ。今まで見たこともないジャンルである!、ああ~、今私の頭にはあの物語の音楽で溢れている!)』


フェルナンド「クリス君と言ったね。ぜひ書かせて貰うよ」


クリス「ありがとうございますヘリオス子爵様」


 こうして音楽はどうにかなりそうな気がした。


クリス「次は、職人かな?」


 子爵家を後にしたクリスは、チャーター馬車に乗り込み中町にある。職人街に向かった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ