王都の劇場3
《王都・西門》
クリスは愕然としてたようだが、一つ忘れてる事があった。
それは職業レベルアップのお届けはレベル一つ上がるのに対して、一つの品だった事だ。
《インベントリー160》
・『物語の小道具』
・『レッサー白黒パンダの着ぐるみ』
・『白熊の着ぐるみ』
・『黒熊の着ぐるみ』
・『パンダの着ぐるみ』
・『熊の物語』
※王都中町にある劇場、フランタ劇団の団長サラフィアに渡すと………。
アイテムが6つもあることに。
クリスの【商人5】果たしてどういうことなのやら。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
色々悩ましいことだが、『緊急クエスト』が告知されたらマップに四つの場所に、赤い▼マークが着いていた。
クリス「多分ここが、さっきのクエストに関係ある人がいる場所だよね?」
一番近いのが、『王国劇場』だった。
とりあえず行ってみることにした。
《王国劇場》
隣は『王立図書館』となっていて、さっき気になった『魔法教会』が正面にあった。
クリス「気にはなるけど。この手の話はサミエル姐さんに聞いてからだよな~」
『王国劇場』始まりは62年前、六代前の王妃の為に建てられた劇場である。
最新の演目である。貴族令嬢とパン職人の物語は今や15年も続くロングセラーであった。
物語は、
47年前━━━━、
パン職人だった少年バリアンが、西城ワイゲンで修行していたところから、物語は始まる。
今でもそうだが、西城ワイゲンは闇が深い。当時四つのギャングと三つの闇ギルドが血で血を洗う凄惨な地であった。
そんなある日のこと。
始まりの町と今こそ呼ばれているが、当時は開拓村でしかなかった。
当時男爵令嬢であったビィオナ嬢は、ようやく村から町と呼べる程度に発展したことを父に代わり王都バーレーンにある貴族院に報告に訪れた帰り、寄親であるベルゲン伯爵の屋敷に寄った日のこと。
男爵令嬢の美しさに闇ギルドの一つスケルターのマスターが一目惚れしてしまったのだ。
誘拐を命じたら、たまたまパン職人バリアンが救う事になった。
クリス「なる程ね~」
意外とこうした演劇も面白いかも。劇場の入り口にあるポスターを見てそう思った。
クリス「う~ん、劇場閉まってるしな‥‥‥」
マップを見ると劇場の中を示してるが、中に入れないんじゃどうしょうもなかった。
いきなり躓いてしまった。
クリス「仕方ない他のところ回ってみるか‥‥‥‥」