『ワイゲン』歓楽街
貧民街に寄ったが、『ダルク』のメンバーは歓楽街の元娼館リヨンが『ダルク』の事務所だと知った。
《歓楽街・ダルク事務所》
歓楽街の奧にある。貧民街の入り口付近に、元娼館はあった。
強面の男「ん?、なんだ兄ちゃんここは娼館じゃないぜ」
見た目と違い穏やかな口調である。
クリス「誰か幹部はいるか?、クランクリスタル商会のクランマスタークリスが来たと伝えてくれ」
強面の男「へっ?、クリスタル商会?、ちょ、ちょとお持ちを」
首を傾げながらも、事務所の中に入って行った。
クリス「やっぱ、貧民街の出だがジャンヌは良い人材を揃えてるようだな」
普通は貧民街の強面な男は、暴力的な印象だったのだが、卑屈にならず。クリスのような若い冒険者を見ても、威圧的にもならなかったのは、好感が持てた。
程なく騒がしい足音が聞こえてきた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ドタドタと忙しなく音をたてながら出てきたのは、
サイモン・グリンバーレと言う、北の大陸から亡命してきた男だ。二つ名を『将軍』もと子爵家の当主だったが、政変に巻き込まれ家と領地を失ったらしい。
娘のローサと共に『ダルク』に参加してくれていた。
サイモン「おお~!、クリス殿ではないか。うちの者が、クリス殿の名を出よるから驚いたぞ、よう来られたな。ガハハハハ!」
相も変わらず声がデカイな、
ローサ「ああ~!、やって来たのね」
とてもこの親父の遺伝子凍んでるな~、多分母親の遺伝子が優れてたんだろうが、
何故かローサは無い胸を張ってどや顔だ。
なんかムカつくな。
クリス「それは悪いな、ワイゲン公爵の頼み事で、忙しくてな」
そもそも、このゲームにはエンドアース時間が存在していて、リアルの四倍もの時間を楽しめるようになっていた。
忙しい日本人向けで、沢山遊べる。その一方で、
リアルの四倍で過ぎて行く時間は、イベントを進める役にたつ一方で、プレイヤーの予想外な事が起こる場合がある。
それは、プレイヤーの好奇心を刺激するのは無論。予想外なこと、所謂ハプニングが楽しめる訳だ。
それはプレイヤーである僕も今痛烈に実感していた。
ジャンヌ「クリス様!?」
クリス「ふぁ!(顔に柔らかい物が‥‥‥‥‥)」
これは‥‥。リアで言うリア充パターンでは!。
ローサ「ジャンヌさ~ん、クリスさんが来て、嬉しいのは分かります~、でも外では止めた方がいいですよ~」
ジャンヌ「‥‥‥‥‥‥//」
はっとしたのかジャンヌは慌てて離れた。ちょっと残念だけど。
僕は未成年だから運営からのアラームがちょっと怖いかな。
ジャンヌ「ここここここここ、これは失礼しました!?」
羞恥で、全身が真っ赤である。うん!。
全身真っ赤になるひとなんて始めて見たかも。