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公爵は驚愕する・後




N・執事「はい、私がクリス様にお会いして伺うと、お嬢様が王都に向かうとき、いたくクリス様が所持してる馬車の乗り心地を気に入ったと」


公爵「馬車の乗り心地だと?、なるほどの~う」


娘の気持ちが理解出来た。


公爵「それではクリスは馬車を持ってきたのだな?」


N・執事「はい王家でも所有してるか分からぬ程の素晴らしい馬車と、滅多に見ない青鹿毛の名馬を」


公爵「ほほ~う、中々やるではないか!」


 この執事が言うのだ。それは見事な馬車と馬なのであろう。


公爵の相貌も弛む。


N・執事「旦那様、さらにクリス様はサニアお嬢様にと契約獣と魔道具馬車を御持ちしたと。慌てて旦那様をお呼び致したく参りました」


公爵「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥何だと!、あやつは間違いなく契約獣を連れときたと申したのだな?」


 うっすら公爵の額に汗が滲んだ。


滅多にないがマッサラの契約獣ならば、貴族としてクリスに感謝しなければならない。


さらにさらに、クリスは魔道具馬車を持ってきたと述べた。


 こうして現地人のNPCが慌てる中、クリスはボーッと待っていた。







☆☆☆☆☆☆☆☆







 程無くして、足早に公爵と執事が数人の騎士と従者がやって来た。


公爵「話は聞いている。まずは馬と馬車を見たいクリス良いかな」


クリス「どうぞ存分に、あっ騎士をお連れなら、特別な馬と馬車もありますがご覧なさいますか?」


公爵「‥‥‥‥‥‥みっ、見たい」


 よくよく考えたら、戦馬と鉄馬車は売っても構わないなあ~と気付いた。


鉄馬車は二つも要らないのだから。


・『戦馬』

・『鉄馬車』×2


 戦馬と鉄馬車を一つタップして出した。


騎士カール・ディーアス「なんと見事な!」


 騎士が感嘆の声を漏らせば、従者も誠にと相槌を打った。


公爵「ほほ~う気に入った様だな?」


騎士カール「はっ、恥ずかしながら一目惚れ致しました」


 照れ臭そうにムサイおっさんが頭を掻いた。


公爵「うむ!、我が騎士に丁度よい馬を探していたが、我が騎士が気に入ったなら買おう」


騎士カール「閣下感謝致します!」


 喜色満面な騎士を前に公爵は静かに笑い。傍らの執事に頷く。


N・執事「承りました」


 それぞれ。


・『戦馬』=250万

・『鉄馬車』=150万

・『豪華な馬車』=2000万

・『名馬』=900万


クリス「はい、確かに」


(よっしゃ~3300万ゲットだ!)


公爵「ああ~ゴホン、その方何やら契約獣を連れているとか?」


騎士カール「なっ!?」


 驚愕する騎士を他所に、澄ました顔の公爵はじっと見詰める。


クリス「はい、今おだしします」


 あっさりとそうだとのべるや公爵は唖然とした表情を浮かべた。


 貴族の御用商人ならば、契約獣もの希少な物を手に入れれば増長し、もっと利益をと醜い様を見せる物である。

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