レッサーミノタウルスの攻略方法
終わってみれば、クエストは色々と幸運の連続だった………。
しみじみそう思えたレッサーミノタウルス討伐だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
どうにか落ち着いた二人は泣き止み、すっかり落ち込んでいた。このまま続けるのもあれかな………
残念だけど
「どうする?止める?」
少し勿体ないけど。ここで止めるのもありだろ。だから三人に聞いた。
「やだ!!」
「やっ!ヒック。やるよ」
「やるもん」
諦めないらしい。変な所で意固地だ。
「ならやるか」
「「「うん!」」にゃ!」
取り合えず頑張るか、
三人+アンビャス君も小さな腕をまくり上げていた。
さて、改めてレッサーミノタウルスのこと見ると、あれだけの身体だ。多分3mはありそう。ムキムキの身体から繰り出されるモンスターならではのパワー。そして厄介なのが両手足に付いてる。鉄球と長い鎖だ。
「お兄さん気付いてる?」
眠そうな眼差しで、そんなこと呟いた。
「ちょっと分からないかな、ミイーは何に気付いたのかな?」
「ムフ~、熊兄さんもまだまだ。妹である私がいないとね♪」
何故か妹だと言い出した。何がミイーにそう思わせたのか?
「あっ、ミイーが妹なら私も熊兄さんの妹になりたいにゃ!?」
「わっ、私も」
さっき泣いてたのが影響したのかちょっと分からないかな。
「取り合えず、ゲームの中だけね。呼び名として赦すよ。」
「本当!?」
やけに嬉しげなミイー、それに釣られるように。
「わかってるにゃ♪」
「了解なのです」
ウータン、ヨッシーも嬉しげな様子だ。
「それでミイー、何に気付いたのかな?」
「うん、あのね。もしかしたら攻略方法見つけちゃったかも」
ミイーの説明。
━━さっきは、………お兄さんに恥ずかしい所見せちゃった。
けど……、
やっぱりクリスさんって好い人だと思うの、あっそうそう、私が気付いた攻略方法ね。それはね、ミノタウルスの行動を見てると直ぐに気付いたよ。あんな狂暴なレッサーミノタウルスが、牢獄の鉄格子をあれだけ鉄球をぶつけても壊れていなかったことと、さっきお兄さんが慌てて私達を助けるとき鉄格子越しに私達に触れていたことでね。
ええー!?まだ分からないかな?
えっと、テレビドラマの牢獄だと、外から棒で叩いたり出来るじゃない?
そうそう、プリズンブレイクのような洋画でね。
だから牢獄の中からの攻撃に対しては、檻は不壊なんじゃないかって。さっきお兄さんとウータンが見付けた麻痺を与える照明弾のような拳銃ぽいやつ、あれを使うなら鉄格子の外からでないと可笑しいからね。
「あれ………、それってもしかして」
あっ、お兄さんも気付いたようね。うんうん。一度麻痺させたら後は手足の鉄球を引っ張り出して、レッサーミノタウルスの前にある私達が入ってた牢獄とその隣に入れて、扉を閉めてしまえば………
鉄格子に繋がれたレッサーミノタウルスを危なげ無くタコ殴りだよ。ねっお兄さん♪
「ああ~、ミイーナイスにゃ」
「流石ミイー、天才的♪」
……あれ?なんかいい話に纏まりそう。でもさ、何故か嫌な予感が拭えない。何故だろう?
「じゃ。お兄さんお願いね」
「「お願いします」にゃ♪」
「あっ、はい……。ですよね~」
嫌な予感ほど当たるようだ。