週末は父さんと本家に3
随分と話が弾んでるな~、
何時の間にか父さん達だけじゃなく、内弟子まで混ざってるようだ。
五美「それで栗栖兄~、夏休み何処行くのかな?」
ターニャ、ドミニクも来るから、お盆は遊びに行く予定だ。
五美「由美と約束してるから、栗栖兄宜しくね」
栗栖「ああ~はいはい。分かってます」
今回、親戚である二人と会うのを。五美も初めてだから楽しみにしていたようだ。
五美「ねぇ~ラブリン」
「わふわふ♪」
因みに五美が僕のこと兄と呼んでいるが、年齢は同い年だ。
数日僕の方が早く生まれたから兄呼びでなく。
妹のベッキーが兄ちゃん呼びしてたのが、五美も癖になったようだ。
喜代音「お嬢様宜しいでしょうか」
五美「いいわよ~」
栗栖「あっ、喜代音さんお久し振りです」
喜代「あら栗栖ぼっちゃん、すっかり男前にならはったなぁ~」
三田喜代音さんは代々本家に仕えてくれてた一族の出で、父さん達とは幼馴染みでもある。
栗栖「そう言えば喜代音さん、梨香姉ちゃん一人暮らし始めてもう二年でしょ?、お盆とか帰京出来そうなんですか?」
するとちょと渋い顔をしていた。
喜代音「はあ~、あの子もね」
まあ~何となく梨香姉の気持ちもわかるかな、今どき昔のように家に仕える人なんて、めっきり減ってるからね。
今さら仕方ない事だよね。
喜代音「あの子、栗栖君と由美ちゃんのこと気にしてたのにね~」
嘆息していた。
僕とベッキーは子供の頃から梨香姉に可愛がってもらってた。
でも本人は、使用人に向かない性格をしてるからな~。
わざわざ本家に窮屈な思いをしに、戻りたくなかったんだろうな。
五美「あっそうだ!、ねえ~栗栖兄」
栗栖「ん?」
五美「だったらさ~、せっかく出掛けるんなら、梨香姉に会いに行こうよ!」
栗栖「ん~、悪く無いけどさ、梨香姉にも都合があるだろうし、ターニャやドミニクにも聞いてからだな」
五美「あっ‥‥‥‥‥‥‥‥、そうだった」
喜代音「お嬢様‥‥‥。ありがとうございます」
神妙な顔をする喜代音さん。
五美「ダハハやだな~喜代音さん、ただ私が梨香姉に会いたいだけだから」
照れ臭そうに笑って誤魔化していた。
五美「そっ、それより栗栖兄!、明日は私に付き合いなさいよね」
栗栖「はいはい、朝稽古か久し振りだね」
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本家の朝は早い。
広大な敷地内に大きな道場を構えているお祖父ちゃんの元に。
地元の子供もわりと通っている子も多いのだが、代々本家に連なる人脈で、近隣の高校、大学が合宿に使う事が多いようだ。