お約束クラッシャークリス2
公爵「‥‥‥‥‥話せ」
N・執事「はっ、手の者がお嬢様の行方を見失いました」
公爵「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥どう言うことだ?」
N・執事「はっ、お嬢様が馬車に乗って出発した後、配下が貴族街の入り口に向かいました」
公爵「今の所、娘達を別段見失う要素など無いだろ」
そう、公爵達の予想は闇ギルド達と同じである。
まさか貧民街側から外に出るなんてこれぽっちも考えて居なかった。
一応は、外壁の門兵士にクリス達が通れば知らせるように通達していただけであった。
困惑を浮かべた公爵に。執事はさらに耳を疑う事を言い出した。
N・執事「旦那様、既にお嬢様達は、ワイゲンから出たと先程知らせが届きました‥‥‥‥‥‥」
公爵「なっ!、それではまさか!?」
N・執事「はい、我等だけでなく。闇ギルド側も出し抜かれました」
公爵「なんと、我の足元からか?」
N・執事「はい」
公爵「‥‥‥‥‥‥‥‥そうか」
重々しくも何とも言えない溜め息を吐いていた。
同じ事が闇ギルド側でも話されていた。
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クリスの行動が、双方の勢力の思惑をおもいっきり外しまくり。
大きな襲撃もなく。無事に王都に到着していた。
サニア「‥‥‥‥‥‥‥」
サニアも貴族である。
当然父の狙いを分かっていて、囮を演じる筈だった。
(参りましたわ。まさか貧民街の一部を支配してる第四の勢力を下部組織に持っていたなんて‥‥‥‥‥)
何よりも驚くべきことに。
クリス「‥‥‥‥‥‥‥‥‥なるほど」
夢も希望も無さげなテロップに。クリスの顔もひきつる。
サミエル「そらそうでしょ、仮にも青い血の貴族なのよ?」
セリシア「そうよねぇ~、笑顔で握手をしながら、お互いの足を踏みあう人種の政治家と同じね」
みょ、妙に納得出来る一言だ。
サミエル「いいクリス君、後がない貧民と、権力に取り付かれてる貴族は表裏一体なの、女である方が信用出来ないからね」
セリシア「まあ~ね~」
ついつい年下の夢見がちな少年に言うことではない気がします。
まだ女の子に幻想を抱きたいクリスであった。
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王都にある貴族街に無事に入ることが出来たクリス達は、サニアお嬢様を公爵家の屋敷に送り届けた。
サニア「皆様ありがとうございました。こうして無事に王都に到着出来たのも皆様のお陰ですわ」
なんだか色々と意味ありげな物言いである。
サミエル「ありがとうございます。そう申して頂き感謝を。我々一同また公爵様の手伝いが出来れば幸いです」
セリシア「宜しくお願いしますわ~」
サニア「‥‥‥‥ふふふ、しかと伝えましょう」
女の子三人はにこやかだけど。なんだか笑顔が怖い気がした。