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お約束クラッシャークリス




 ちょと豪華な馬車は、貴族街を出ることなく。


人通りの少ない寂れた古い屋敷跡の側を通って、貧民街のある通りに出ていた。


 貴族はあまり知らないが、使用人、下男や下働きの者は、表の入り口からわざわざ貴族街に入らなくても入り込める。裏道のような物があった。


 所謂ごみ捨て場が、貧民街の外側にあるのだ。


 普通貴族のしかも王位継承権を持った公爵家の御令嬢である。


 とある伯爵の密命を受けていた闇ギルドの者は、いつ御令嬢が出てきても言いように。


見張りを出していた。


しかも闇ギルドは一つだけではなかった。


N・間者1『おい、御令嬢は屋敷を出たのだな』


N・間者2『金を掴ませてる下男からの知らせだ。それに居城を見張らせてる見張りからも知らせが届いた』


N・間者3『吾は、襲撃班に報せた後、スペクターにも情報を流す』


N・間者1『承知した』


 西城ワイゲンにある三大ギャングの一つを使ってまでの襲撃‥‥‥‥、


貴族同士の権力争いが裏で行われているようだ。







☆☆☆☆☆☆☆☆





 無論、万一のこと考えない者は居ない。


 その為のギャングスペクターだったのだが‥‥‥、


サミエル「クリス君、道が違うようだけど?」


 外を見ていたのかサミエル姐さんが、中からひょいと顔を出していた。


クリス「あっ、【気功】のことで色々あって、相談してないや、姐さんゴメンね~、一応メールでは知らせけどさ。貧民街の一部をうちのクランの下部組織『ダルク』が支配してまして━━━」


 貴族街のごみ捨て場から貧民街の歓楽街まで抜けれるルートだと教えた。


サミエル「あっ!、なるほどね~、貴族街から直接外に出れるわ。クリス君ナイス!」


クリス「‥‥‥//どっ。どうもです」


 幼女なドワーフに頭をナデナデされる赤熊族の大剣使い。


ちょと変な世界に入りかけたクリスだった。


 また闇ギルド側も予想外であった。


本来三大ギャングの一つスペクターの支配地だったのだが‥‥‥‥


 全く知られていない第四の勢力に奪われていたのだ。


 対する公爵家側も予想外であった。


 クリス達は公爵令嬢の護衛と言う名前の囮だったのだ。





《執務室》



N・執事「旦那様、急ぎ御知らせが御座います」


 普段どんなことが起きようと沈着冷静である配下が、僅かながら動揺を隠せずにいた。


 公爵は眉を潜め嫌な予感を覚えた。


公爵「‥‥‥‥‥‥話せ」


 先を促した。




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